イタリア高架橋崩落 生存者は「奇跡以上」と

崩落が起きた後のモランディ橋 Image copyright EPA
Image caption 崩落が起きた後のモランディ橋

イタリア北西部ジェノバで起きた高架橋の崩落から2日が経過するなか、すんでのところで死を免れた人たちの体験談が語られている。

ある営業職の男性は、乗っていたワゴン車が橋のがれきに間に挟まり一命を取り留めたが、一緒にいた別の男性はそのまま落下し死亡したという。

橋の崩落で、少なくとも38人が死亡し、15人が負傷。ジェノバ市のフランチェスコ・コッツィ検事長が記者らに語ったところよると、依然として行方不明者が10~20人いるとみられる。

コッツィ検事長はロイター通信との電話インタビューで、行方不明者数は、家族と連絡が取れていない人や崩落時に通行中だったとみられる車の数をベースにした推計だと語った。

モランディ橋と呼ばれる高架橋の、大きな塔を含む約200メートルにわたる崩壊部分は、約45メートル下にある鉄道の線路や川、倉庫の上に落下した。

隣国のフランスとを結ぶ幹線道路A10が通る高架橋は、1960年代に建設された。

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Image caption 何百人もの近隣住民が今も自宅に戻れないでいる

イタリア政府は高架橋崩落を受けて、イタリア全土のインフラの安全性を再点検すると約束した。

橋の運営会社「アウトストラーデ・ペル・イタリア」に対しては、政府が契約の打ち切りや多額の罰金を示唆しており、同社に対する政治や株式市場からの風当たりも強まっている。

16日午前の取引で、同社の親会社アトランティアの株価は一時、前日終値比25%安となった。

生存者たちの話

コンピューター・ゲームの営業をしているジアンルカ・アルディニさん(29)の危険な救出劇は、消防隊が撮影しツイッターに投稿した動画にとらえられている。現場には何百人もの消防隊員が派遣された。

地元ニュースサイト「ジェノバ24」によると、アルディニさんは、地上20メートルで橋のがれきに挟まっていたワゴン車からロープを使って下に降ろされた。

肩を負傷したアルディニさんは病院で手当を受けている。妊娠中のガールフレンド、ジウリア・オルガノさんは、自分の子供の誕生に立ち会わなくてはという気持ちが、救助隊の助けを待つアルディニさんに力を与えたのだろうと語った。

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アルディニさんと一緒にワゴン車に乗っていたルイジ・マッティ・アルタドンナさん(35)は死亡した。

ルチアノ・ゴッチアさんは、橋の下にある駐車場にピックアック・トラックを停車した直後、崩落の衝撃波に襲われた。

「ちょうど橋の下に到着したばかりでした」とゴッチアさんはロイター通信に語った。「トラックのドアを開けて外に出ると、轟音に見舞われたんです。後ろを振り返った瞬間、私の体は宙に浮き、壁にぶつかって息ができなくなりました。衝撃波が私を後ろに吹き飛ばしたおかげで助かったんです」

駐車場に戻り、大破した車を見て、自分が助かったのは「奇跡以上」だと思ったという。

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Image caption 橋の一部は住宅の上にかかっている

右腕につり包帯が巻かれたゴッチアさんは、自分は無事だったが、崩壊した橋を見る気にはなれないと話した。

崩壊現場の現在の状況

現場では依然として、何百人もの救助隊や消防隊が活動している。隊員たちは希望は捨てていないと語るが、生存者が見つかる可能性はわずかだということは認めている。

「生存、死亡にかかわらず、人間が中に入っている可能性がある隙間がないか探している」と、消防当局のエマヌエレ・ジッシ氏はAFP通信に語った。

何百人もの近隣住民が避難生活を続けている。近くの公営住宅は特に、高架橋のもう一つの塔が倒壊した場合に危険が及ぶリスクがある。新たな橋を建設する際には、公営住宅は解体される可能性がある。

崩壊による死者には、フランス人4人とイタリア在住のチリ人3人が含まれる。

犠牲者の葬儀が行われる18日には、イタリア全土が喪に服すことになっている。

ジュゼッペ・コンテ首相は、ジェノバがあるリグーリア州全体に緊急事態宣言を出した。ジェノバはイタリアの最も主要な港の一つ。

ジェノバの検察は過失致死の疑いで捜査を開始した。

Image caption ジェノバ(Genoa)の位置とモランディ橋の航空写真(白抜きされているのが崩壊部分)

(英語記事 Genoa bridge collapse: 'Miracle escape' stories emerge

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