ナイキ新広告にアメフトのキャパニック選手 膝をつき人種差別に抗議

コリン・キャパニック選手は、米NFLサンフランシスコ・フォーティーナイナーズで6年間クォーターバックを務めた

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コリン・キャパニック選手は、米NFLサンフランシスコ・フォーティーナイナーズで6年間クォーターバックを務めた

アメリカンフットボールの米国人スター選手、コリン・キャパニック選手が、米スポーツ用品大手ナイキの新広告キャンペーンに起用されることになった。米スポーツ専門メディアESPNが3日に伝えた。

キャパニック選手はサンフランシスコ・フォーティーナイナーズの元クォーターバック。報道によると同選手は、米ナイキによるスローガン「Just Do It」の30周年記念キャンペーンで広告塔となる。

ナイキの新しい広告は、「何かを信じろ。そのためにすべてを犠牲にするとしても」というスローガン(標語)を、キャパニック選手の顔に重ねている。

キャパニック選手は3日、広告の写真とスローガンをツイッターに投稿した。

ESPNの報道では、米ナイキのジノ・フィサノッティ北米ブランド担当副社長が、「コリン(・キャパニック選手)はこの時代、最も感動的なアスリートの1人だ。世界を前進させるために、スポーツの力を使ってきた」と述べている。

キャパニック選手は2016年、アフリカ系米国人に対する警察の暴力に抗議し、国歌斉唱中に起立を拒否した。

他の多くの選手もこの行動にならったが、抗議は国を二分している。

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(この記事には、不快と感じるかもしれない強い表現が含まれています)

ドナルド・トランプ米大統領は昨年9月、抗議した選手を、米国旗に「不敬」な態度をとる「クソ野郎」と呼び、解雇しろと要求した(訳注・「クソ野郎」と訳した元の発言は、「son of a bitch=直訳・あばずれの息子」という罵倒語)。

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トランプ氏、国旗に「不敬」な選手は「クビだ」

「Just Do It」キャンペーンにはキャパニック選手以外にも、米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)のオデル・ベッカム・ジュニア選手やシャキーム・グリフィン選手、テニスのセリーナ・ウィリアムズ選手といったスポーツ界のスターが起用されている。

キャパニック選手は現在30歳。ESPNによると、2011年にナイキとスポンサーシップ契約を交わし、国歌斉唱中にひざまずく抗議活動で賛否両論の渦に巻き込まれつつも、ずっとナイキから契約料を得ていたという。

2017年に所属していたフォーティーナイナーズとの契約を終了して以降、キャパニック選手はプレーをしていない。現在は、抗議行動を理由に自分をリーグから排除したとして、NFLを提訴している。

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フィールド上での抗議行動は2016年に始まり、国を二分する大議論となった

同リーグは、国歌斉唱中に起立する意思のない選手は、斉唱が終わるまで控え室に留まることができると述べた。

またNFLは、「起立せず、国旗と国歌に敬意を示さないリーグ関係者には、適切な処罰を下す」とも明言した。

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米スポーツ選手たち なぜ次々に膝をついているのか