世界一高い銅像、インドで完成間近

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ヒンドゥー教に基づく政治思想「ヒンドゥー・ナショナリズム」の政治家を讃える銅像が建設されている
インドで、世界一高い銅像が完成間近だ。
北西部グジャラート州で建造が進む銅像は、インド独立運動の英雄サルダール・バルバイ・パテル氏を讃えるもので、完成後の高さは182メートルとなる予定だ。
現時点で世界最大の像は、中国の魯山大仏で高さ128メートル。
パテル氏の銅像は、総工費299億ルピー(約4700億円)と、ナレンドラ・モディ首相が長年温めてきたプロジェクトとされている。「統一の像」として知られており、モディ首相が10月31日に落成式を行う予定だ。
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サルダール・パテル氏は、多くのヒンドゥー・ナショナリストに崇められている
パテル氏はインド独立後の1947年、副首相となった。
同氏は当時反目し合っていた各州を統一しインドの一部としたことで、「インドの鉄の男」として知られる。
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インド国家主義の政治家たちは選挙活動中、パテル氏の遺産を活用した
ヒンドゥー・ナショナリズムの信奉者の多くは、パテル氏の歴史上の立場がインド初代首相を務めたジャワハルラル・ネルー氏の一族の人気の影に追いやられていると感じている。
2013年、インド首相となるべく総選挙に向けて活動をしていたモディ首相は、「サルダール・パテル氏が首相にならなかったことを全インド人が後悔している」と語っていた。
銅像はこの年に起工された。銅像が完成すれば、米ニューヨークにある自由の女神像の2倍近い高さとなり、グジャラート州の主要な観光地になると期待されている。
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銅像は、インド西部グジャラート州の人里離れた場所に建てられている
銅像の胸部周辺、地上153メートルほどの地点には展望台が作られる予定だ。
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展望台は、像の4分の3の高さとなる
銅像は、グジャラート州最大の都市アフマダバードから約200キロに位置する。
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グジャラート州の銅像建設には数千人が作業にあたっている
10月31日に間に合わせるよう2500人以上の労働者が作業にあたっており、これには中国からの移住労働者数百人も含まれている。