ハリウッド・スター、バート・レノルズさん死去

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バート・レノルズさん

1970年代にハリウッドの大スターだった俳優バート・レノルズさんが6日、心臓発作のため死去した。82歳だった。フロリダ州の病院で家族に囲まれて息を引き取ったという(編注・日本では「レイノルズ」表記がほとんどですが、原音に近く「レノルズ」と表記します)。
レノルズさんは2010年に心臓バイパス手術を受けていた。
1972年に映画「脱出」で一躍有名となり、「ロンゲスト・ヤード」、「キャノンボール」、「トランザム7000」などで大スターになった。1997年の「ブギーナイツ」では、アカデミー賞助演男優賞候補になった。
代理人のトッド・アイズナーさんは、「本当に悲しい」と大スターの死を悼んだ。
めいのナンシー・リー・ヘスさんはBBCに、家族が悲しみにくれていると話した。
「おじは単なる映画スターではなく、思いやり深い、情熱的で繊細な人でした。家族や友人やファンや演劇の学生を、とても大切にしていた」とヘスさんは語った。
「確かに健康上の問題は抱えていたけれども、これはまったくの予想外だった」
「山あり谷ありの人生とキャリアを通じて、ずっとおじを支えて応援してくれた素晴らしいファンの皆さんに、感謝したい」とヘス氏は付け加えた。
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ハリウッドの「名声の通り」でレノルズさんの星に花が手向けられた
1972年にアカデミー賞3部門で候補となった「脱出」で一躍注目されたレノルズさんは、男性セックスシンボルとして人気を得る。同じ年にはグラビア誌コスモポリタンの見開きに、男性有名人としては画期的なほぼ全裸で登場して出版業界のタブーを破り、国中の話題となった。
レノルズさんは後に、全裸写真について「ばかなことをした」と話していた。
1977年のアクションコメディ「トランザム7000」が人気の頂点で、同年公開映画の興行収入順位は「スターウォーズ」に次いで2位だった。
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映画「脱出」のレノルズさん
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サリー・フィールドさんと共演した「トランザム7000」
1963年には英女優ジュディ・カーンさんと結婚するも、2年後に離婚。1988年には米女優ロニ・アンダーソンさんと結婚するが、1993年に離婚した。
1980年代に入ると出演作に恵まれず、飲食店やフロリダのアメリカンフットボール・チームへの投資が失敗するなど、不運が続いた。1996年には借金1100万ドル近くを抱え、破産宣告した。
2014年には、「ブギーナイツ」で受賞したゴールデングローブ像など、多くの思い出の品を売却した。
「トランザム7000」で共演したサリー・フィールドさん(71)とは、交際したり別れたりを繰り返したが、後に「一番愛した人」と呼んでいる。
フィールドさんはかつての恋人の死去を受けて、「人生には時に、あまりに鮮やかで決してあせることのない瞬間があります。40年たった今でも、生き生きとよみがえります。バートと過ごした年月は、決して忘れたりしません。私が生きている限り、私の歴史と私の心の一部です。大好きな人、ゆっくりしてね」とコメントを発表した。
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学生時代はフロリダ州のフットボール選手だった
レノルズさんは2001年にAP通信に対して、「自分のキャリアはなだらかな曲線じゃない。まるで心臓発作みたいだ」と話していた。
「100本以上の映画に出たけれども、テレビの3大ネットワーク3社全てから首になったのは自分くらいだ。長続きそのものだ」
1994年と2015年に自伝を出版。2冊目では、「いつでも、なんでも経験して、じたばたしながら死んでいきたいと思っていた」、「もう年なのは分かってるけど、気持ちは若い。それに、僕ほど楽しい思いをした奴はいない。それは誰にも奪えないことだ」と書いていた。
カルト指導者で大量殺人事件を起こしたチャールズ・マンソンを描く、2019年公開予定のクエンティン・タランティーノ映画「Once Upon A Time in Hollywood」に出演予定だった。自分の土地をチャールズ・マンソンに提供したカリフォルニアの農場主を演じることになっていた。