中国が米国に報復関税 600億ドル相当

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中国政府は18日、600億ドル(約6兆7000億円)相当の米国からの輸入品に追加関税をかけると発表した。

17日にはドナルド・トランプ大統領が2000億ドル相当の中国製品に対する追加関税を発表しており、これに対する報復措置。

中国は今回、トランプ氏の支持基盤となっている州で生産されている液化天然ガス(LNG)などを新たな関税対象とした。

トランプ氏はこれに対しツイッターで、中国政府は11月に控えた米国の中間選挙に影響を与えようとしていると警告した。

「我々の農家や酪農家、製造業の労働者を標的にするなら、中国には大きく迅速な経済的報復があるだろう!」

飛行機、コンピューター、織物

中国商務部によると、中国は米国の追加関税導入と同じ24日から報復措置に踏み切るが、税率は予想されていたよりも低かった。

米国からの輸入品のうち小型機やコンピューター、織物などには5%の追加関税が課される。さらに化学品、食肉、穀物、ワインなどには10%が上乗せされる。

一方、米国は過去最大規模となる消費財などに10%の関税をかけると発表。一方、スマートウォッチやベビーチェアなどは除外された。

また両国が通商協定で合意しなかった場合、年明けにも税率を25%に引き上げる予定だ。

トランプ大統領は今回の追加関税について、中国の「不公平な通商慣行」への返答だと話している。

追加関税の規模は?

米国の対中追加関税は、今年に入ってから3回目となる。

ホワイトハウスは7月、340億ドル相当の中国製品への追加関税を導入。8月に貿易戦争が加速すると、さらに160億ドル相当の製品に25%の関税を課した

今回の第3弾により、中国の対米輸出品およそ半分が追加関税の対象となった。

トランプ氏はまた、中国が報復措置に出た場合、さらに2670億ドル相当の中国製品への関税をかけると警告している。

この関税が実行された場合、中国の対米輸出品のほぼ全てに新たな関税がかけられることになる。

Image caption 2017年の米中のそれぞれからの輸入高と、これまでに発表された追加関税の対象額。米国がさらなる追加関税に踏み切った場合、輸入品のほぼ全てが対象となる。一方、中国はすでに米国からの輸入品のほとんどが課税対象となった

米国はなぜ追加関税をかける?

ホワイトハウスは、対中関税は中国の「不公平な」貿易政策への返答だと説明している。

理論的には、関税によって米国製品が輸入品より安くなり、消費者が米国製品を買うようになる。関税によって地場企業が発展し、米国経済が下支えされるという。

政府関係者は、経済的な打撃を受けるリスクを受けて中国政府が政策転換を決断するのではと期待している。

しかし、多くの米企業がこの関税には批判的で、農業、製造業、小売業などの産業団体は連合を結成し、この関税が米国過程への課税だとして反対を表明している。

中国の返答は?

中国政府は今回の報復措置に先立ち、500億ドル相当の米製品に報復関税をかけており、特にトランプ大統領の重要な支持基盤となっている農家などに影響が出る製品を対象にしていた。

これは2016年米大統領選でトランプ氏を支持した州の産業に圧力をかけるためで、欧州連合(EU)も米国との貿易戦争で同じ戦略を使っている。

<分析>アンドリュー・ウォーカー、BBC経済担当編集委員

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中国に対するトランプ大統領の直接の批判は、米企業の技術を盗んでいるというものだ。しかし、トランプ氏がもっと懸念している米国の貿易赤字についても、中国に非があるとしている。

トランプ氏は、貿易赤字は正すべきもので、他国との悪い通商協定や不公平な貿易の結果だと考えている。

問題は、貿易赤字は一般的には通商政策の結果ではなく、貯蓄や投資決定の結果と捉えられている点だ。稼いだ額より多く使う国は貿易赤字に陥る。

大統領が推進する減税などの政策も、政府の借り入れを増やすことで国庫を圧迫し、場合によっては貿易赤字を拡大させることになる。

トランプ氏は減税によって経済活動を活発化させ、収入を増やし、「元を取る」ことを望んでいる。

それはまた別の経済的なあつれきを生むだろう。

(英語記事 China hits back at US with fresh tariffs

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