キャバノー判事の性暴力疑惑、FBIは「誰でも」聞き取り可能=トランプ氏

FBIに聞き取り調査を行ってほしいとトランプ大統領は述べた Image copyright EPA
Image caption FBIに聞き取り調査を行ってほしいとトランプ大統領は述べた

米連邦最高裁判事に指名されたブレット・キャバノー高裁判事の性的暴行疑惑について、ドナルド・トランプ米大統領は1日、米連邦捜査局(FBI)が「非常に包括的な捜査」を実施するよう望んでいると述べた。一方でトランプ氏は、捜査が「魔女狩り」になってほしくないとも付け加えた。

キャバノー氏に関するFBI捜査については、ホワイトハウスが捜査の範囲を制限しようとしていると複数の米メディアが報道していた。

これに対してトランプ氏は1日の記者会見で、FBIに自由裁量が与えられるよう指示したと述べた。ただ、「捜査は迅速に行われてほしい」とも付け加えた。

キャバノー判事の友人マーク・ジャッジ氏が、FBIの事情聴取に応じている。ジャッジ氏は、子供の頃からのキャバノー氏との友人。

ジャッジ氏の弁護士は1日、FBIによるジャッジ氏への聞き取りは「完了していない」と述べた。

クリスティーン・ブラジー・フォード教授は、1982年に民家でキャバノー氏から性的暴行を受けた際、ジャッジ氏が同じ部屋にいたと主張している。そのため、ジャッジ氏の証言は捜査にとって重要になると考えられている。

ジャッジ氏は9月末の上院司法委員会公聴会には出席しなかったが、「フォード博士の手紙で書かれたパーティーについては覚えていない」との声明を発表している。

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上院の承認議決はいつ

米共和党のミッチ・マコネル上院院内総務は1日、キャバノー氏を最高裁判事として承認するかどうかの上院採決を、今週中にも実施すると述べた。

マコネル氏は民主党が承認を妨害しようとしていると非難。「ゴールポストが動き続けているが、しかしゴール自体は1インチも動いていない」と述べた。

「きりのない延期と妨害の時間は、もうそろそろ終わりだ」

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Image caption キャバノー氏は全ての性的暴行疑惑を否定している

マコネル氏は採決の正確な日にちを明示しなかったが、実施日はFBIの捜査終了期限となっている5日かそれ以降になると予測されている。

FBIの取り調べ対象は

FBIはキャバノー判事と、同判事の性的不法行為を告発した女性の一部に対して聞き取りを予定している。事情聴取が予定される中には、上院司法委で先週証言したフォード教授も含まれている。

米NBCニュースは匿名の米政府高官による発言として、キャバノー判事の性的暴行を主張した第3の告発者、ジュリー・スウェトニク氏はFBIの証人リストに含まれていないと報じた。

NBCはさらに、キャバノー氏が大学時代に大酒を飲んでいたと証言している同氏の元クラスメイトの名前も証人リストにないとしている。

しかし米紙ニューヨーク・タイムズはこれに先立ち、キャバノー氏とアルコールとの関係についての宣誓証言は虚偽だと非難する同級生が、1日にもFBIに情報を提供するつもりだと伝えている。

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「私はビールが好きだった」。キャバノー氏は証言で、高校時代の飲酒について自らを擁護した

FBIは犯罪捜査を実施しているわけではなく、ホワイトハウスの求めに応じて身辺調査をしているため、捜査の範囲はホワイトハウスが決定する。

トランプ大統領は1日、報道陣に対し、「FBIは妥当な範囲内で、望む誰にでも聞き取りをすべきだ。しかし、妥当な範囲内でとは言っておかなければいけない」と述べた。

さらに、「上院議員が必要としているものにFBIは従わなければならないし、僕は従っている」とトランプ氏は続けた。

キャバノー氏の飲酒をめぐる疑惑とは

ノースカロライナ州立大学のチャールズ・ラディングトン教授は、キャバノー判事がイェール大学時代、アルコールを過度に摂取してろれつが回らなくなり、ふらついているのを見たと話した。

ラディングトン教授は1日、自宅前で記者に対し、飲酒で意識をなくした可能性を否定したキャバノー判事は「真実を語っていない」と「きっぱり」断言できると話した。

ラディングトン氏は「キャバノー氏が意識が失うのを見たことはないが、相当に酔っ払っているのを見た」と付け加えた。

ラディングトン教授のこの主張に対し、ホワイトハウスは、別のイェール大学元同級生2人による声明を挙げて反論した。

2人の元同級生、クリス・ダドリー氏とダン・マーフィー氏は、キャバノー氏が意識不明になり記憶をなくすのを見たことはないし、女性に不適切な態度をとるのも全く見たことがないと述べた。

民主党の反応は

上院司法委に所属する民主党議員10人のうち9人は1日、事情聴取すべきという人物24人のリストをFBIのクリストファー・レイ長官に送付した。この議員団はFBIに対し、キャバノー判事を告発した3人全員の取り調べを要求した。

民主党はFBIが証人にした取り調べ内容全てと、捜査への協力を拒否した人物全員の名前の写しを求めている。

キャバノー氏は告発者の主張を全て否定している。同氏が否定した告発内容は以下の通り――。

  • 第1の告発者となったフォード心理学教授が述べる、1982年に民家であったパーティーで、キャバノー氏(当時17歳)がフォード氏(当時15歳)の服を脱がせようとした、ベッドに押し付けた、口をふさいだとの主張
  • キャバノー氏と同時期にイェール大学の学生だったデボラ・ラミレス氏に対して、飲酒競争中に性器を露出したというラミレス氏の主張
  • 1980年代初めにハウスパーティーで知り合ったキャバノー氏と友人らが、女性の飲み物に「薬を混ぜ」ようとしたという、ジュリー・スウェトニク氏の主張

投票結果はどうなるのか

現在の上院は、51対49の僅差で共和党が多数党。仮に民主党議員が全員、キャバノー判事の承認に反対した場合、共和党から2人が反対に回れば、承認は否決される。50対50の場合は、上院議長のマイク・ペンス副大統領が投票するため、承認は可決される見通し。

FBIの捜査は、共和党のジェフ・フレーク上院議員、スーザン・コリンズ上院議員、リサ・ムルコウスキ上院議員の要請により開始された。


(英語記事 Trump: FBI can question 'anybody' about Brett Kavanaugh

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