ヒップアップの整形手術で死亡例 「最も危険」と警告も

チ・チ・イズンドゥ、ビクトリア・ダービシャー・プログラム

A bum being drawn on Image copyright Getty Images

でん部の形を整える「ブラジリアン・バット・リフト(BBL)」と呼ばれる美容整形手術で、英国人女性が死亡した。

英国人としては2人目で、英美容整形外科協会(BAAPS)によるとBBLは最も危険な整形手術だという。

この手術は著名人によって有名になったが、外国で安価な手術を受けることで命を危険にさらしている人がいるとBAAPSは警告している。

「3000人に1人が死亡」

BBLでは、身体の別の場所から採取した脂肪をでん部に注射する。

BAAPSはBBCの「ビクトリア・ダービシャー・プログラム」に対し、世界中でこの手術を受けた3000人に1人がの合併症で死亡していると推測されるとの見解を示した。

今年8月、リー・ケンブリッジさん(29)がトルコでこの手術を受け、亡くなった。今年に入って2人目の、英国人の犠牲者だという。

ケンブリッジさんの死因審問は来年に開かれる予定。

BAAPSの会員で美容外科医のジェラルド・ラムさんは、「これはでん部の太い血管に脂肪を注射する手術で、脂肪が心臓や脳に到達する可能性がある。全ての整形手術の中で最高の死亡率だ」と説明した。

「お尻から脂肪が漏れる」

ウェールズに住む23歳の女性(匿名を希望)は、2月にトルコでBBLを受けて以来、終生消えない傷が残ったと話した。

手術から3カ月後、でん部に化膿した穴ができたという。

「長い間まっすぐ歩けなかった」と、この女性は語った。

「正直なところ、穴ができたところまでは良かった。その後、脂肪が漏れ出してまた歩けなくなった」

脂肪の漏出は3カ月間続き、「服がびしょ濡れになった」という。

「臭いがしたから、毎日ばんそうこうを貼らなくてはいけなかった」

「手術前に戻れればと心から思う。以前は自分の身体に満足していた。今は大金をつぎ込んで、こんなになってしまった」

「心理的な問題」

英国外でBBL手術を受けた女性は予後が思わしくない場合、英国の国民保健制度(NHS)下での治療を受けることになる。BAAPSは、この治療のNHSの負担は数千ポンドになっていると推測している。

肺塞栓症や脂肪織壊死、腫瘍といった深刻な合併症を発表すると、病院での治療費は1万3000ポンド(約200万円)以上になるという。

ある病院のデータによると、入院期間は平均20日間に上る。

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Image caption キム・カーダシアンなどの著名人が、でん部を整える手術の火付け役となった

アーウィン・ミッチェル弁護士事務所で外国での美容外科手術をめぐる問題を扱っているシェリル・パルマー=ヒューズ弁護士によると、BBLの合併症について相談に訪れる女性は増えているという。

「ある患者は皮膚移植を行い、別の患者は仕事で長期休暇を取っていた。心理的な問題に悩まされている患者もいた」

「でん部ではなく太ももに手術され、間違った箇所に脂肪を注入されたという相談もある」

「痛みが続いている」

匿名でBBCの取材に応じた別の女性は、「(英国で受けるよりも)ずっと安かったから」2年前にトルコでBBL手術を受けた。

この女性は全身麻酔をかけられ手術を受ける前、執刀医との面会はたった1回、10分だけだったと話した。

手術から数日後に高熱を出し、この外科医や看護婦に連絡しようとしたところ、電子メールやテキストメッセージへの返信が途絶えたという。

Image caption この女性はBBCの取材に対し、術後2年経っても痛みに悩まされていると話した

彼女は英国で入院し、1カ月の休職を強いられた。

手術から2年経った今も、この女性は手術による痛みに悩まされているという。

パルマー=ヒューズ氏によると、同氏のBBL関連の顧客の半数がトルコで手術を受けている。ハンガリー、ベルギー、スペインも人気だ。

同氏は、BBL手術を受けた女性は通常、大して読まないまま書類に署名してしまうと説明する。この書類には、インターネットやオンライン上で手術に関する否定的なコメントを書いた場合、名誉毀損で訴えられる可能性があるという項目が含まれている。

(英語記事 Second Brit dies after 'Brazilian butt lift'

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