路上生活者、この1年で少なくとも449人死亡 英

路上生活者の死亡問題をデータとして示す初めての試みとして、英国全体での1年あたりのホームレス死亡者数が調査された Image copyright Getty Images
Image caption 路上生活者の死亡問題をデータとして示す初めての試みとして、英国全体での1年あたりのホームレス死亡者数が調査された

英国でここ1年間に死亡した路上生活者の数は少なくとも449人に上ることが、このほど行われた調査で明らかになった。

この数字は、1年間に死亡する路上生活者の数を調査する初めての試みとして、英非営利団体の調査報道事務局(TBIJ)が発表した。

死亡者の年齢は18から94歳で、69%が男性だった。

英住宅・コミュニティ・地方自治省の報道官は、「あらゆる形の路上生活」問題に取り組むため、12億ポンド(約1780億円)を投じていると述べ、2027年までには路上生活を完全になくす意向だとしている。

ホームレス支援の慈善団体セント・ムンゴスのハワード・シンクレア最高経営責任者(CEO)は、「完全に抑止可能な」死は「国の恥」だとした。

飢えによる死

死因には、暴行、薬物の過剰摂取、病気、自殺などがあった。

死亡したうち少なくとも1人は、長期にわたり飢餓状態にあった様子がうかがえた。中には、遺体があまりにも長い間発見されず、身元判明に法医学的な検査を要したものもあった。

年齢が分かった死亡者348人のうち、平均年齢は男性が49歳、女性が53歳だった。

オコネルさんの場合:暴行を受け死亡

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Image caption 英南部ブライトンで暮らしていたホームレス男性アンドリュー・オコネルさんは8月、暴行を受け死亡した

英南部ブライトンで路上生活をしていたアンドリュー・オコネルさん(当時54歳)は、8月7日の0時前に襲われた。

オコネルさんは翌日、観光名所ロイヤル・パビリオンの庭園で発見され病院へ搬送されたが、後に死亡した。

オコネルさんは英南東部ケント州出身で、家族は「やさしくて頭が良く、旅好きの自由な男だった」と説明した。

さらに、「家族として、私たちは完全に打ちのめされ、傷つき、怒りを覚えている」と付け加えた。

同じくホームレスのセルジオ・レモリ容疑者(32)がオコネルさん殺害の容疑で起訴されている

ホームレスを支援する慈善団体シェルターのポリー・ニートCEOは、「窮屈で薄汚い安宿から動けない家族から、屋外で寝泊まりするという危険に耐えざるを得ない人に至るまで、(路上生活が)作り出す苦しみを目の当たりにしている」と話した。

ニート氏は政府に対し、公営住宅をもっと建てるとともに、「家賃をカバーできるだけの住宅手当を確実に」するよう求めた。

英テレビ局チャンネル4と共同で進められたTBIJの調査は、地元当局が定める路上生活者の定義がないため、実際の死亡者数はさらに多い可能性を明らかにした。

路上生活者の死亡者数を記録した公的な統計は存在しないが、英国家統計局は、公的なデータベースの構築を開始したと述べている。

TBIJは42人というスコットランドの死亡者数は特に「かなり低く見積もられている」可能性があると指摘している。

北アイルランドでは、比較的数字が高かった。調査報道サイト「ザ・ディテール」が入手した統計値によると、2017年10月から2018年8月の間、路上生活者として登録していた148人が、公営住宅への入居を待っている間に死亡した

中には待機期間中、賃貸宿泊施設に滞在していた可能性がある人もいたが、北アイルランド住宅行政部の公式分類では路上生活者とされていた。

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ホームレス支援の慈善団体クライシスによると、イングランドにおける路上生活者の数は2010年以降、169%増となっている

前述の政府報道官は、いかなる路上生活者の死亡も政府は「非常に深刻に」受け止めていると語った。

また、「あらゆる形の路上生活問題に取り組むため、政府は12億ポンドを投じている。路上生活を2022年までに半減させ、2027年までに完全になくすため、予算1億ポンド(約148億円)の大胆な計画を立てた」と付け加えた。

(英語記事 Homeless deaths: At least 449 reported in the past year

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