欧州議会、使い捨てプラスチック禁止法案を可決

A sperm whale is pictured playing with a bright yellow plastic bag as it floats near the surface of the ocean Image copyright Getty Images

欧州議会は24日、海洋生物保護のため使い捨てプラスチック製品の使用を禁止する法案を571対53の賛成多数で可決した。

この法案では、ストローや綿棒、食器、マドラー、風船に付ける柄など、日常的に使われるプラスチックが禁止される。また、使い捨てのプラスチックの皿やカップの削減も視野に入れている。

欧州議員の1人は、何の措置も取らなかった場合、「2050年までに海に浮かぶプラスチックの量は魚を越えるだろう」と話した。

欧州委員会は5月にこの法案を提出した。欧州ではBBCの海洋ドキュメンタリー番組「ブルー・プラネット」シリーズなどを受けて、プラスチック規制への支持が高まっている。

法案成立にはなお手続きが必要だが、成立の見通しが立っている。欧州連合(EU)は、2021年までに加盟国でこの法律を施行したい考えだ。

英国も、EU離脱後の移行期間内にこの法案が成立・施行された場合、国内法として導入する必要がある。

法案を提出したフレデリク・リース欧州議員は投票後、「私たちの海、環境、次世代への勝利だ」と語った。

英国を含むいくつかのEU加盟国はすでに、国内で使い捨てプラスチック用品の規制案を策定している。

<関連記事>

規制対象は?

この法案は、海洋汚染の主な原因とされるプラスチック用品を対象としている。

規制対象リストに記載されているもののうち全面禁止となった食器や綿棒は、紙のストローや容器などの代替品が市場に出回っている。

サンドイッチやハンバーガーの包装といった「代替品のない」プラスチック用品についても、加盟国は2025年までに25%削減することが求められている。

Image caption さまざまなごみが分解されるまでの年数。プラスチックコップは50年、アルミ缶は200年、紙おむつは450年、ペットボトルは450年、釣りざおは600年と推計されている

一方で、海岸によく捨てられているたばこのフィルターについては、法案に修正が加えられた。たばこ企業は今後、2025年までに50%、2030年までに80%のプラスチックを減らす必要がある。

このほか、2025年までにプラスチックの飲料容器の90%をリサイクルのために回収するという野心的な目標も定められた。欧州議会の報告によると、現在リサイクルされているボトルやふたは、海に流出しているプラスチックの20%に過ぎない。

製造各社も、プラスチック製品や包装についてより大きな責任を負うことになる。

お使いの端末ではメディアプレイバックはご利用になれません
バリ島近くの海に大量のプラスチックごみ 英ダイバー撮影

プラスチックによる海洋汚染の規模

EUの調査によると、毎年15万トンのプラスチックが欧州の海に流れ込んでいる。

地球全体の毎年800万トンと比べると少ないものの、プラスチックは潮に乗って長い距離を流れていく。

Image caption EU加盟国の海岸を汚染しているごみの内訳。使い捨てプラスチック製品が49%と半分近くを占めるほか、釣りざおが27%、その他のプラスチックが8%と、プラスチック製品が8割に達している。非プラスチック製品は18%だった

こうしたプラスチックは、海洋生物に大きな影響をおよぼしている。

魚や大型の海棲ほ乳類は、プラスチック汚染によって死亡する可能性がある。例えばクジラがレジ袋を食べると、他の食べ物を摂取できなくなって死に至る。

お使いの端末ではメディアプレイバックはご利用になれません
手付かずの自然のはず北極圏 ここにもプラスチックごみが

また、プラスチックが破壊されて破片になっても、他の製品のように分解されることはなく、細かくなって「マイクロプラスチック」になる。

マイクロプラスチックは、それを食べた魚を通して人間の体内へと入ってくることもある。

大量のプラスチックごみが海岸に流れ着き、海鳥や他の動物たちに食べられ、死亡する原因になることもある。

(英語記事 Single-use plastics ban backed by Euro MPs

この話題についてさらに読む