米、イランに原油制裁再開 「史上最強」と

抗議者は4日、イランの首都テヘランにある旧米国大使館前で抗議デモを実施した Image copyright Getty Images
Image caption 抗議者は4日、イランの首都テヘランにある旧米国大使館前で抗議デモを実施した

米国は現地時間5日午前0時(日本時間同日午後2時)過ぎから、イランへの制裁を再開した。ホワイトハウスは制裁が「史上最強」のものになると強調している。一方、イランでは米国への抗議行動が相次いでいる。

トランプ米政権は、2015年のイラン核合意から米国が5月に離脱したことを受け、イランおよび同国と貿易関係にある各国を標的とした制裁を全て再発動するとしている。

今回の制裁では、石油輸出、船舶、金融など経済の重要部門全てが対象になる。

イランでは4日、数千人が「アメリカに死を」という掛け声とともに抗議デモをし、米国との対話路線に反発した。

デモは、1979年11月4日に首都テヘランで起きた在イラン米大使館人質事件から39年の日に行われた。この事件以来、米・イラン両国は40年近くにわたり対立を続けている。

報道によるとイラン軍は自国の防衛力を示すため、5日と6日に空軍の軍事演習を予定している。

ドナルド・トランプ米大統領は11月6日の米中間選挙に向けた集会に先立ち、イランが既に米国の政策に苦しんでいると語った。

「イランへの制裁はとても強力だ。これまで科してきた中で最強の制裁になる。イランがどうなるか注視するが、すでにまずいことになっている。本当の話」

再制裁のきっかけ

イランの核計画抑制のため締結された2015年のイラン核合意から、トランプ氏は5月に離脱した。それ以降、米政府はイランへの制裁を再発動させている。

また、サイバー攻撃や弾道ミサイルの発射実験、中東のテロ組織や民兵の支援といった、イラン政府の「敵対的」行為を止めたいとも米政府は述べている。

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Image caption トランプ米大統領は5月、2015年に締結されたイラン核合意から離脱した

マイク・ポンペオ米国務長官は4日、米フォックス・ニュースに対し、「イラン国民を支援し、イラン・イスラム共和国による敵対行為を確実に変えさせるため、精力的に取り組んでいる」と述べた。

「それが目標であり、任務であり、大統領の代理として実現する」

どんな影響が

米国は制裁を段階的に再発動してきた。専門家は今回の最新段階が間違いなく一番重要と指摘する。

今回の制裁は、700以上の個人、組織、船舶、航空機が対象となる。この中には大手銀行、石油輸出企業、船舶会社も含まれる。

ポンペオ国務長官は、制裁の見通しを理由に、世界的大企業100社以上がイランから撤退したと話している。

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Image caption ポンペオ米国務長官は、イランに対し「最大限の圧力」をかけたいとしている

ポンペオ氏はまた、イランの石油輸出が1日100万バレル近く減ったため主要財源が断たれつつあるとも述べた。

さらに、ベルギー・ブリュッセルに拠点がある「国際銀行間金融通信協会(SWIFT)」が提供する国際金融ネットワークは、制裁対象となったイランの機関を除外する予定となっている。そうなれば、イランは国際金融システムから孤立する。

EU各国の反応

米国離脱後もイラン核合意を維持している5カ国のうち、欧州連合(EU)加盟3カ国、英国、ドイツ、フランスの各国はいずれも、制裁に反対している。

この3国は、イランと「合法的なビジネス」を行う欧州企業の支援を約束し、SWIFTに代わる決済手段を模索している。決済システムとなる特別目的事業体(SPV)が設置されれば、企業は米国の制裁を回避しながら取引ができるようになる。

しかし専門家は、この対策がイランへの制裁の影響を実質的に減らすかは疑わしいと指摘する。

また最近、スティーブン・ムニューシン米財務長官は、「我々の制裁を回避しようとする」全ての企業、あるいは組織を、米国は「積極的に」標的にすると表明した。

制裁対象から除外

トランプ政権はイランから石油を輸入し続ける8カ国を制裁から除外するとしている。ただ、8カ国の具体的な名前は明かしていない。

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Image caption イランの最高指導者アヤトラー・アリ・ハメネイ師は、米国がイランを支配することはないだろうと話した

報道によるとこの8カ国には、米国の同盟国であるイタリア、インド、日本、韓国が含まれるという。また、トルコと中国も除外対象とも報じられた。

ポンペオ氏はこれらの国が既に「(イランからの)原油輸入を大幅に減少」させているが、「輸入量をゼロにするには、もう少しの時間」が必要と語った。

同氏は、2カ国がイランからの石油輸入を最終的に止め、残る6カ国も大幅に輸入量を減らすだろうと述べた。

イラン国内の反応

米国の制裁は、1979年11月4日に起きたイランの米大使館人質事件から39年の節目を意図したタイミングで始まる。39年前の事件は、米国が支援していた当時のモハンマド・レザー・パフラビー国王がイラン革命で失脚した直後に発生し、米国人計52人が米大使館内で444日間人質となった。以来、米国とイランは敵対を続けている。

対米強硬派は毎年、事件を記念して抗議活動を行ってきた。ただ、4日のデモでは、参加者は制裁に対する怒りもあらわにした。

イランの国営メディアは、数百万人が市街地に出て、同国の最高指導者アヤトラー・アリ・ハメネイ師への忠誠を誓ったと報じた。BBCは報道された人数について独自では確認していない。

これに先立ちハメネイ師は3日、激しい口調で演説し、1979年以前のイランに対してしていたような「支配」を米国が再確立することはないと釘を刺した。

ただし、自国政府への苛立ちをツイッター上であらわにするイラン国民もいた。ハッシュタグ「#Sorry_US_Embassy_Siege(米大使館占拠ごめんなさい)」をつけた投稿は1万9000回以上みられた。

ある利用者はツイッターに、「過去40年以上、イランのイスラム指導体制は米国とイスラエルを自国の敵とみなそうとしてきた。しかしイラン国民は、指導者たちと同じようには考えない。我々は世界中全ての国、全ての人々を愛している」と英語で投稿した。

別の利用者は、「アメリカは我々の敵ではない。敵は、我々を母国内で人質にしている連中だ」とツイートした。

(英語記事 US unleashes "toughest ever" sanctions on Iran

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