カリフォルニア州の山火事、強風で被害拡大の恐れ

Camp Fire near Big Bend, California - 10 November Image copyright AFP
Image caption カリフォルニア州サクラメント北部の森林公園で燃える火事(10日)

米カリフォルニア州で8日に発生した山火事が、強風によってさらに複数の大規模火災へと発展し被害が広がる懸念が高まっている。

10日には同州北部と南部で風がいったん弱まったため、消火活動がいくらか進んだが、当局は住民に対し、突然燃え広まる可能性があるため火からできるだけ距離を置くよう警告している。

特に被害が深刻になっている北部のパラダイス町ではすでに23人の死亡が確認され、遺体の捜索が続いている。

南部マリブ近くの火事では、さらに2人が犠牲になった。

州内3カ所で発生している大規模な山火事から逃れるため、これまでに推定25万人が自宅からの避難を余儀なくされた。

今年に入って現在までに、ベルギーとルクセンブルクを合わせた面積よりも広い範囲が焼けており、例年の被害を大きく上回っている。

カリフォルニア州のジェリー・ブラウン知事はドナルド・トランプ大統領に対し、緊急対応の強化と復興支援に向けて、「大規模災害」を宣言するよう要請した。

トランプ大統領はここ数日、山火事が起きたのはカリフォルニア州の森林管理がまずいからだとツイートし、怒りを買っている。

しかしその後は、被災者への同情の気持ちを表明した。

特に勢いが強い山火事

「キャンプ・ファイア」と名前がつけられた山火事は8日、ビュート郡で燃え広まった。消防隊は、この山火事がパラダイス町を焼き尽くすのを止められなかった。

さらに、州南部の高級住宅地マリブでは9日、「ウールジー」と名前のついた別の火が発生し、10日までには倍の面積に燃え広がった。

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Image caption マリブでは多くの住宅が焼け落ちた(9日)

「ウールジー」火事の延焼面積は同日夜までに約340平方キロに達した。

避難命令が出ている自治体の中には、7日に銃乱射事件が発生し12人の犠牲者を出したサウザンド・オークスも含まれている。

キャンプ・ファイアで何が

キャンプ・ファイアは、サクラメント北部にあるプラマス国立森林公園で8日に発生し、あっという間にパラダイス町を飲み込んだ。

6700軒以上の住宅や事業所が焼け落ちる中、住民は命がけで避難した。資産被害の規模では、カリフォルニア州史上最悪の災害となった。

火があまりにも急速に広まったため、自動車を乗り捨て、走って町から避難せざるを得ない人もいた。

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強風と森林の乾燥で、キャンプ・ファイアは勢いを増した

死者の数でもキャンプ・ファイアは州史上3番目の被害規模。発生直後に9人が遺体で発見されたほか、その後の捜索でさらに14人の遺体が見つかっている。

110人以上が行集方不明となっているが、その多くは安全に避難したはずだと当局は確信している。

パラダイス町の画像には、激しい煙が太陽をほとんど覆い隠して空に広がる様子が映っている。

10日夜までには、キャンプ・ファイアは約400平方キロを焼き尽くし、鎮圧できたのは20%に過ぎなかった。

11日には風の強さが時速60キロ以上に達すると予想されており、当局は山火事が完全に収まるまでに最長で3週間かかる可能性があるとしている。

スターも避難

ウールジー・ファイアは8日、ロサンゼルス中心部から北西約64キロのサウザンド・オークス付近で発生した。

9日には火は国道101号線を越え、沿岸部へ広がった。

住民全員に避難命令が出されている。

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Image caption 12人が犠牲になった乱射事件の起きたばかりのサウザンド・オークスも大火事に襲われた

ロサンゼルス郡保安局のジョン・ベネディクト保安長官は10日、2人が遺体で発見されたと述べたが、死亡状況の詳細には触れなかった。

マリブやカラバサスには著名人が多く住んでおり、キム・カーダシアン・ウェストやケイトリン・ジェナー、レディー・ガガ、ギレルモ・デル・トロなど、避難を余儀なくされた芸能関係者も複数もいた。

10日には強風がいったん止んだことから、防火帯を強化するために消防隊員が消火剤を散布した。

しかし当局は、今後2日は最大で時速110キロ以上の強風が予想されるため、油断しないように警告した。当局によると、火が思いもよらぬ時に迅速に広まる可能性があるという。

「すでに風は吹き始めており、今後3日は吹き続ける。自宅は建て直せるが、命は取り戻せない」とロサンゼルス郡消防局のダリル・オズビー本部長は話した。

気象予報士デイビッド・ゴンバーグ氏は地元紙ロサンゼルス・タイムズに対し、火災旋風が発生する可能性があると指摘した。

トランプ氏は何と

トランプ大統領は過去にも、山火事についてカリフォルニア州当局を非難し、連邦政府からの補助金を差し控えると脅していた。

10日のツイートでは再び、州当局の「ひどい森林管理」を責めた。

トランプ大統領はツイートで、「カリフォルニアでこれほど巨大で、大勢が亡くなり、莫大なコストもかかる山火事が相次いで起きるのは、森林管理があまりにまずいからという以外に理由がない。毎年何十億ドルも与えていて、これほど人命が失われるのはひたすら、森林管理がひどいからだ。すぐになんとかしろ、じゃないともう連邦予算は出さない!」と書いた。

ジェリー・ブラウン州知事の報道担当官エバン・ウェストラブ報道官は、トランプ氏の発言が「愚かで無知だ」と反撃した。

多くの著名人も、トランプ氏の思いやりのない反応を批判しており、カリフォルニア生まれの歌手ケイティ・ペリーさんは「まったくの心ない反応」だと呼んだ。

カリフォルニア州は近年、深刻な山火事被害に見舞われており、今年8月にメンドシーノ郡で発生した山火事では、同州史上最悪の被害を出した。

Image caption カリフォルニア州各地で燃える山火事の位置

<解説> パラダイスという町が消えた――ジェイムズ・クックBBCロサンゼルス特派員

パラダイスが焼け落ちた。がれきの中、救助隊が遺体を探している。町はもうない。6400戸以上の家が焼失した。資産への被害では、カリフォルニア史上最悪の火事となった。人的被害でも、最悪に近い。

避難した人たちは、自宅や家族の情報を必死で求めている。

現在、延べ8000人の消防隊員が州内で消火活動に当たっている。空気の汚染はすさまじくり、子供たちを外で遊ばせないよう保護者への注意喚起がなされている。

現在、25万人に避難命令が出ている。


(英語記事 California wildfires: Fears of further damage as winds strengthen

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