「私はヘイトクライムの犠牲者になった」 ラグビー元代表選手が訴え

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ラグビー・ウェールズ代表の元主将ギャレス・トーマスさん(44)が18日、自身のツイッターアカウントで、憎悪犯罪(ヘイトクライム)の被害を受けたと報告した。ウェールズの首都カーディフで暴行を受けたという。

2009年にゲイであることを告白したトーマスさんは、あざのある顔を撮影した動画をツイッターに投稿。自身のセクシュアリティのために標的にされたと話した。

当局は16歳の少年を修復的司法(生じた損失を、関係者の集団的話し合いで解決する手法)で対応した。修復的司法の適用は、トーマスさんの要請を受けたものという。

この方法が、攻撃してきた人に学ばせる最善の手法と感じたと、トーマスさんは話した。

動画に登場したトーマスさんは、見るからに動揺した様子で、何が起きたかを説明。また、17日夜にカーディフで自分を助けてくれた警察や周囲の人々に感謝を述べた。

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Image caption トーマスさんは現役時代、41トライをあげた名選手だった。英国・アイルランド連合チームに選出され、3試合に出場した経験もある

「自分のセクシュアリティ(性的指向、生物学的性など性に関する観念の集合)のために、私は自分が住む街でヘイトクライムの犠牲者となった」とトーマスさんは話した。

「私たちを傷つけようとする人が恐ろしいほどたくさんいるが、その人たちにとっては残念なことに、私たちが受けた傷を癒すのを助けたいと思う人はそれ以上にたくさんいる。だから、この動画が前向きなメッセージになることを希望する」

ヘイトクライムとは、人種、宗教、性的指向、障害、トランスジェンダーなどの性自認といった要素を理由にした敵対心により引き起こされたあらゆる犯罪を指す。

トーマスさんは現役時代、フルバックやウィングとして活躍し、ウェールズ代表として100試合に出場。ウェールズ代表のほか、英国・アイルランド連合チームでも主将を務めた。

トーマスさんが投稿した動画には、数百件におよぶ支援の声が寄せられた。

サッカーの元ウェールズ代表ゴールキーパー、ネヴィル・サウソールさんはツイッターで、トーマスさんに返信する形で「起きたことを残念に思うが、君を支えるたくさんの人がいる。あなたが前向きなことに意識を置いているのは素晴らしい。模範的な存在であり続けてくれ、最高の人」と投稿した。

陸上短距離女子400メートルの2000年シドニー五輪銅メダリスト、キャサリン・メリーさんは、「ギャレス、このことを聞いてとても残念に思う。でもそう、あなたは正しい。憎む人より支える人のほうがずっと多くいる。たくさんの愛を」とツイートした。

BBCのスポーツ司会者、ギャビー・ローガンさんは、「山ほどの愛を」とツイートした

現地時間17日午後9時ごろ、カーディフ市中心部の商業地域ザ・ヘイズで起きた出来事をめぐり、16歳の少年が修復的司法にのっとって対応を受けていると、南ウェールズ警察は認めた。

同警察は声明で、「修復的司法はトーマス氏に要望され、暴行を認めた少年に了承された。少年は自身の行動に謝罪を示している」と述べた。

「修復的司法は、犯罪司法制度の中心に被害者のニーズを置き、犯罪に対する前向きな解決策を模索するとともに、若者に自分の行動に対する結果に責任を持つよう促すものだ」

声明は「社会にヘイトクライムの行き場は無く、南ウェールズ警察は常に、ヘイトクライムへの対策を重視している」と付け加えた。

犯罪の加害者が、その犯罪が与えた影響について被害者とやり取りできることが、修復的司法を支える主要な原則だと英修復的司法協議会は述べている。

(英語記事 Gareth Thomas: 'I have been the victim of a hate crime'

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