UAE、スパイ容疑の英国男性が「罪を認めた」と発表 英国は反発

Matthew Hedges and his wife, Daniela Tejada Image copyright Daniela Tejada
Image caption マシュー・ヘッジス被告(左)は「非人間的で卑しい」条件下で拘束されていると、妻のダニエラ・テジャダさん(右)は主張している

アラブ首長国連邦(UAE)の検察当局は、スパイ容疑で終身刑を言い渡された英国人男性が「有力な証拠」を突きつけられ、罪を認めたと発表した。

マシュー・ヘッジス被告(31)はかねて、自身の博士課程の研究のためにUAEの安全保障戦略を調査していたとして、無実を主張していた。

英政府はUAEの評決に憤慨しており、長年の友好国だったUAEとの間に外交論争が勃発している。

ジェレミー・ハント英外相は、ただちにUAEの「アブドゥラ・ビン・ザイド外相と電話会談を設けたい」と話した。

BBCのジェイムズ・ロビンズ記者は、ハント外相は9日前にUAEの皇太子との会談でヘッジス被告が有罪になることはないと保証されたばかりだったと述べ、「裏切られた」気分なのだと説明している。

ハント外相は22日にも、ヘッジス被告の妻ダニエラ・テジャダさんと面会する予定だ。

また、「UAE政府の最高位」にこの件を問い合わせると表明するとともに、評決は「英国の友人かつ信頼できるパートナーから期待していたものとは異なるし、先の保証とも食い違う」と指摘した。

しかしUAEのハマド・サイフ・アル・シャムシ法務長官は声明で、ヘッジス被告は裁判で「徹底的な司法捜査の結果出てきた有力な法的証拠」を見せられた後、全ての罪状について有罪を認めたと説明している。

「捜査の間、被告は犯罪の詳細を告白した。捜査では、公正で透明性の高い裁判を行うというUAE憲法と法律に従って、被告の権利と保証は全て満たされていた」

アル・シャムシ長官はまた、ヘッジス被告は英国大使館の代表と共に出廷しており、「裁判中、弁護士によるあらゆる弁護を使い果たした」と述べた。

これに対しヘッジス被告の家族は、同被告が拘束されてから最初の6週間は弁護士との面会がかなわないまま取り調べを受けており、英国領事も同被告と連絡できなかったと指摘している。

またこの期間中に、アラビア語の書類に署名を強制されたが、書類の内容は自白だったことが分かったという。

「マシューはアラビア語を読むことも話すこともできない」と、家族は付け加えた。

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テジャダさんは、評決が言い渡されたときヘッジス被告は頭を振ったと振り返り、「マシューがどうなってしまうのか、とても怖い」と述べた。

「マシューは無実です。外務省はそれを知っているし、UAEの当局に対しても、マシューが外務省のためにスパイをしていないとはっきりと説明しています」

テジャダさんは、英政府は「すぐに抗議するべき」だと述べると共に、UAE当局は「こうした明らかな権利侵害を恥じるべきだ」と話した。

英議会では、保守党のクリスピン・ブラント議員がテリーザ・メイ首相に対し、UAEに「ヘッジス被告が釈放されないなら、英国がUAEの防衛を手伝う理由がない」と明言するべきだと指摘した。

UAEアブダビ首長国の英語紙ザ・ナショナルによると、終身刑は最長25年間の服役を意味し、ヘッジス被告はその後、強制送還される可能性があるという。

ヘッジス被告は裁判費用も支払う必要がある一方、拘束されている30日の間に控訴することができる。

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Image caption マシュー・ヘッジス被告(右)は5月、ドバイの空港で逮捕された

ヘッジス被告は精神的に衰弱しているとされる。ティジャダさんは先に、同被告が刑務所内で十分な治療を与えられていないと批判した。

ダラム大学副学長のスチュアート・コーブリッジ教授は、ヘッジス被告が拘束されている状況は「彼の人権を侵害している」と指摘する。

「この評決も、正当な手続きや公正な裁判といえるものが欠けている状態で下された」

「何を根拠にマシューがこの評決を言い渡されたのかの情報がない。マシューが合法的な学術研究以外のことをしていたと信じられる理由もどこにもない」

(英語記事 'I hire a man to pretend to be my daughter’s dad'

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