三菱重工に韓国最高裁が賠償命令 第2次世界大戦中の韓国人元徴用工らに

金性珠さんは他の原告や親族と共に勝訴判決を祝った(29日、ソウル) Image copyright EPA
Image caption 金性珠さんは他の原告や親族と共に勝訴判決を祝った(29日、ソウル)

韓国大法院(最高裁判所に相当)は29日、三菱重工業に、第2次世界大戦中に同社の軍需工場で労働を強制された韓国人の元徴用工らに対する賠償支払いを命じる判決を下した。

大法院は、三菱重工業に対する損害賠償訴訟2件について、同社の上告を棄却した。

三菱重工業は、2件の訴訟の原告に対し、1人あたり最大で1億5000万ウォン(約1500万円)の支払いを命じられた。

第2次世界大戦中、韓国人約15万人が徴用され、日本の軍需工場や鉱山での労働を強いられた。戦時中の問題は現在も日韓関係に影響を残している。

今回の判決に先立ち、大法院は10月にも、戦時中に労働を強いられた韓国人元労働者に対し、新日鉄住金に賠償を命じる判決を確定させている。

ロイター通信によると、三菱重工は大法院の判決を「極めて遺憾」とし、適切な対策を取る方針。

「遺憾で、受け入れられない」

日本政府は、1910年から1945年まで続いた日本による朝鮮半島支配時代の請求権問題は、1965年に結ばれた日韓請求権協定により、完全かつ最終的に解決されたと主張している。

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しかし韓国大法院は、協定が「朝鮮半島への不法的植民地支配と侵略戦争の遂行と直結した、日本企業の反人道的な不法行為を前提とする強制労働被害者の賠償請求権を適用対象に含まない」とした。

日本の河野太郎外相は、判決について「極めて遺憾であり、断じて受け入れることはできない」と述べた。

河野外相は、判決が国際法違反の状態だとし、韓国が問題解決に向け適切な行動を取らない場合、日本は国際裁判も含めた選択肢を検討すると述べた。

しかし韓国の聨合ニュースによると、韓国政府の当局者は大法院判決を尊重すると話しているという。

三菱重工が支払うことになる金額は

原告は過去に日本でも三菱重工に対する訴訟を起こしたが、日本の最高裁は2008年、三菱重工側の勝訴判決を下した。

29日の判決は、三菱重工に対し、元女子勤労挺身隊員の女性4人と親族1人に対し、それぞれ最大で1億5000万ウォン(約1500万円)の賠償を命じている。この女性らは1944年、名古屋市にあった三菱重工の航空機製作工場で、無償労働を強制されたと話している。

原告の1人、金性珠(キム・ソンジュ)さんは29日、報道陣に対し、「私は人生でずっとこの恨みを心に抱いてきた。骨が全て飛び出しても、私は生き続ける。それぐらい重い恨みだ」 と涙ながらに語った。聨合ニュースが伝えた。

もう1件の訴訟では、三菱重工に対し、原告にそれぞれ8000万ウォン(約800万円)の賠償支払いが命じられた。

(英語記事 Mitsubishi Heavy ordered to compensate forced S Korean war workers

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