サウジアラビア、米上院を非難  「内政干渉」と

4年にわたる紛争で、イエメンは荒廃している Image copyright Getty Images
Image caption 4年にわたる紛争で、イエメンは荒廃している

サウジアラビア政府は17日、米議会上院が先週採択した決議案を非難する声明を発表した。米上院本会議は13日、イエメン内戦に介入するサウジ主導の連合軍に対する米軍の支援を停止する決議案と、サウジ政府によるジャマル・カショジ記者殺害の非難決議案を採択していた。

サウジ外務省は米上院の採択を「誤った疑惑」に基づく「内政干渉」だと説明した。

13日に採択された決議案は象徴的な意味合いが強く、法制化の可能性は低い。

しかし決議案には、政府のサウジ政策に対する議会の怒りをホワイトハウスに伝える意味合いがある。

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サウジアラビア当局の発表

サウジ国営通信が伝えた声明でサウジ外務省は、「米上院の最新の立場を、サウジアラビア王国は非難する」と述べた。

声明は米上院の立場が「誤った疑惑に基づいたものだ」とし、サウジ外務省は「国内問題に対するあらゆる干渉を全面的に拒否すると、あらためて強調する」とした。

サウジアラビアの声明に対し、米政府は今のところ公に反応していない。

米上院の決議内容

1973年制定の戦争制限法に基づき、軍事紛争から米軍を撤退させるよう求める決議案が米連邦議会で採択されたのは、上下両院を通じて13日が初めてだった。

採択ではトランプ大統領が率いる与党・共和党からも一部が造反。賛成56、反対41で採択された。

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Image caption サウジアラビアとのビジネスや軍事上の関係を、トランプ大統領は一貫して擁護している

法的拘束力のない「戦争制限決議」は、イエメンでの戦争行為に関与する米軍を、イスラム過激派と戦闘している部隊を除いて全て撤退させるよう、トランプ大統領に求めるもの。

上院はその後、10月に起きたカショジ記者殺害について、サウジアラビアのムハンマド皇太子に責任があり、サウジ政府は説明責任を果たすべきだとする非難決議案を全会一致で採択した。

母国サウジアラビアを逃れて米国に住んでいたカショジ記者は、米紙ワシントン・ポストに定期的に寄稿していた。

米政府は先月、サウジ戦闘機への燃料補給停止を決めた。決議案が最終的に法制化された場合、給油再開は禁止されることになる。

決議は法制化できるのか

トランプ大統領は決議案に拒否権を行使すると明言しており、今のところ同決議案が下院を通過する可能性も低い。下院は12日、この問題に対する採決実施を否決した。

しかし、11月の米中間選挙で勝利したため、下院は来年1月下旬から民主党が多数党となる。決議案を共同提出した無党派のバーニー・サンダース議員(ヴァーモント州選出)は、それ以降にこの決議案が採択されるだろうと予測している。

イエメンでは、イランが支援する反政府勢力のフーシ派と、サウジ主導の連合軍が戦闘を続けており、アメリカは連合軍を支援している。決議案はこの軍事支援の価値を低下させると、トランプ政権は主張している。

ホワイトハウスの当局者は、サウジアラビアとアメリカとの経済的な結びつきを強調している。米メディアによると、トランプ氏の義理の息子で大統領上級顧問のジャレッド・クシュナー氏は、ムハンマド皇太子との関係強化を続けているという。

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