Slack、米制裁対象国に渡航した利用者の「アカウント停止」

キューバのような国のIPアドレスからSlackに接続した利用者が影響を受けているという Image copyright AFP
Image caption キューバのような国のIPアドレスからSlackに接続した利用者が影響を受けているという

チャット形式のビジネス向けコミュニケーションサービス「Slack(スラック)」利用者の一部が、アカウントが停止されたと報告している。アメリカが制裁を科している国に渡航したためという。

アカウント停止措置は、イランや北朝鮮などに渡航した利用者に影響しているもよう。Slackは措置について、米政府の制裁を順守するためと説明している。

しかし、アカウント停止をソーシャルメディアに報告した利用者の多くは、事前警告がなかったと主張している。

利用者の一部は、近年に制裁対象国へ行ったことはないため、自分への停止措置は間違いのはずだと反発している。

他に停止措置に関係しているのはキューバとシリア、そしてウクライナ南部クリミア半島の各国・地域だ。Slackはこれらの国・地域での同社サービス利用はないはずだとしている。

Slackの1日の利用者数は約800万人。導入企業には、米民泊サイトAirbnbや米チケット販売TicketMasterなどの大企業も含まれる。

利用者の1人は米掲示板サイトのハッカー・ニュースに、妻のアカウントが突然停止され、ビジネス上のやり取りや資料ファイルを含む、数年分の業務データに接続できなくなっていると投稿した

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Image caption Slackは、同僚との連絡を容易にするアプリ。グループごとに会話が可能だ

投稿によると、利用者の妻は「数年前の」「合法な」キューバ旅行について警告を受けたといい、突然のアカウント停止に不服申し立てもできなかったようだと語った。

カナダ在住の博士課程学生だという別の利用者はツイッターへの複数投稿で、アカウント停止の対象に含まれたのは、自分の民族的出自がイランだからではないかとの考えを示した。

「Amir」さんはツイッターに、Slackからの通知文とみられる画像と共に、「今日、Slackが私のアカウントを閉鎖した! 私はカナダの博士課程学生で、研究仲間にイラン出身者はいない! Slackはイラン系の人間のアカウントを閉鎖しているのか?! そして、私の民族性に関する情報源は一体何なんだ?」と投稿した。

利用者はハッシュタグ「#SlackBan(Slack停止)」を使い、経験を共有している。

この措置は、違反企業を罰する米国の制裁範囲を逸脱しているのではないかとの疑問も出ている。

米ウェブメディア「マッシャブル」に掲載された声明でSlackは、アメリカの制裁を順守するため、「キューバ、イラン、北朝鮮、シリア、そしてウクライナ領クリミア半島における無許可のSlack利用を差し止めた」と表明した

さらに声明は、Slackのシステムは「指定された禁止国に由来するIPアドレスから我々のプラットフォームに接続しているアカウント、もしくはプラットフォーム上の作業空間の所有者、あるいはその両方を、検知したかもしれない」と付け加えた。ただし、アカウントを誤って停止されたと感じている利用者については、問題を「さらに再調査」すると述べた。

(英語記事 Slack 'bans users' who have visited US sanctioned countries

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