米政府、一部閉鎖 国境の壁めぐり議会対立続く

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米連邦政府予算について与野党の対立が続き、米東部時間22日午前0時1分(日本時間22日午後2時1分)から、一部の連邦政府機関が予算切れのため閉鎖に追い込まれた。暫定的な予算措置が21日に期限を迎えたものの、メキシコとの国境に壁を建設する費用をめぐり決着がつかなかった。

19日には上院が2月8日までのつなぎ予算案をまとめたが、壁の建設費が含まれなかったため、トランプ氏は署名を拒否した。与党・共和党が今のところ多数を占める下院は、壁の費用57億ドルを計上したつなぎ予算案を可決したものの、上院では野党・民主党が「トランプ氏が壁を手に入れることはない」と、共和党の予算案を拒否した。

上下両院は妥協策に至らないまま21日夜に休会した。22日昼に再開する。

米連邦政府の予算失効は今年3回目。国土安全保障省、運輸省、農務省、国務省、司法省などの予算が失効した。国立公園は閉鎖される見通しだが、航空管制や入国審査、沿岸警備、司法捜査などの業務は、連邦職員数十万人が一時的に無給で勤務を続ける。さらに数十万人の職員が一時帰休の扱いとなる。

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Image caption 21日の連邦議会では与野党の協議が続いた。写真はマイク・ペンス副大統領(右)とミック・マルヴェイニー次期大統領首席補佐官代行

下院では単純過半数で予算案は可決されるが、上院(定数100)では3分の2以上の賛成が必要。上院の共和党議席は51議席にとどまるため、民主党の賛成が得られなければ成立しない。民主党はトランプ氏の壁建設計画に強く反発しているため、上院で民主党が、壁の建設費計上に賛成する見込みはない。さらに年明けには今年11月の中間選挙の結果を受けて、下院は民主党が多数党となる。

トランプ氏は事態打開のため、上院でも単純過半数で可決できるよう手続きを変更する、いわゆる「核のオプション」を使うよう、共和党のミッチ・マコネル院内総務に働きかけているが、マコネル議員はこの極端な議会対応には消極的だ。

共和党ではほかに複数の上院議員が、可決の要件を変更するという極端な対応に強く反対している。

「民主党による閉鎖」か「トランプによる閉鎖」か

トランプ氏は21日、自分がイメージする鉄製の壁のデザインをツイートした。

トランプ氏はさらにその後、この偉大な国には国境警備が必要だ!」と大文字で強調しつつ、ビデオ演説をツイートした。国境の柵を押し倒す移民に見える映像などを差し挟みつつ、麻薬や犯罪者が違法に入ってくるのは「とても危険だ」と警告。「あんな連中はこの国に来て欲しくないんだ」、「それを食い止めるのは、壁でもフェンスでも呼び方は何でもいいが、それがある素晴らしい国境警備だけだ」と強調した。

トランプ氏はさらに、政府閉鎖は民主党の責任だとツイートした。ビデオでも、政府閉鎖について自分たち共和党ができることは「何もない」とい述べ、事態解消には「民主党の票が必要だ」と強調した。

これに対して民主党のチャック・シューマー上院院内総務は本会議で、トランプ氏は「かんしゃくを起こしている」と批判。「おかげでクリスマスにかけて『トランプ閉鎖』に直進している」と述べた。

トランプ氏は、大統領選中から公約してきた壁の建設費として、少なくとも50億ドルを認めなければつなぎ予算案に署名しないと主張している。今月11日には野党・民主党幹部に対して、それで政府が閉鎖されても自分がその責任を負うと発言していた。

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「僕が政府を閉じる」「いやいやいや」……トランプ氏と野党幹部が口論

(英語記事 US government partially shuts down over border wall row

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