インドネシアの火山島、噴火警戒レベル引き上げ 航空便は経路変更

再び噴火が起こる恐れはまだある Image copyright Getty Images
Image caption 再び噴火が起こる恐れはまだある

インドネシア中部の火山島、アナククラカタウが連続で噴火したのを受け、噴火警戒レベルが27日、4段階で上から2番目に引き上げられた。

アナククラカタウはインドネシア中部ジャワ島とスマトラ島の間にあるスンダ海峡に位置する火山島。アナククラカタウ島周辺の航空便は全て経路変更となった。また、半径5キロの立入禁止区域が設定された。

インドネシア国家防災庁(BNPB)は、火山活動が活発化したため、警戒レベルはレベル2からレベル3に引き上げられたと発表した。

この火山島は、20日に発生し数百人の死者を出した津波を引き起こしたとされる。

BNPBは28日の記者発表で、インドネシア火山調査所が発表したデータを引用し、「アナククラカタウの火山活動は活発化を続けている」と述べた。

「警戒地域は半径2キロから5キロに拡大した(中略)住民や観光客は火山の半径5キロ以内での活動を禁止されている」

欠航の航空便も

国営の航空管制会社「エアナビ・インドネシア」は、クラカタウ島から火山灰が噴出し、状況が「非常事態」となったため、航空経路を閉鎖していると述べた。

エアナヴの運航責任者はBBCに対し、20便から25便の航空便が影響を受けたと話した。オーストラリアやシンガポール、中東発着の国際便も含まれるという。

この責任者は、欠航は最小限にとどまる可能性が高いとしたものの、乗客の搭乗時間は長くなる可能性があるほか、航路変更により、飛行機には通常より多くの燃料が必要になるかもしれないと述べた。

Image caption 噴火したアナククラカタウ島は、スマトラ島とジャワ島の間にあるスンダ海峡に位置する

火山島で何が起こっているのか

インドネシア当局は、アナククラカタウ島の活動が急激になっており、ストロンボリ式噴火という形式の噴火も起きていると話している。ストロンボリ式噴火は、短時間で、溶岩の爆発的噴出が起きる噴火形式。

BNPBは27日、火山周辺に半径5キロの立入禁止区域を設定した。

危険地域内に人はいないと考えられているが、再び津波が起こる恐れがあることから、ジャワ島とスマトラ島の住民は、湾岸部に近づかないよう指示を受けている。

付近では強風が吹き、アナククラカタウ島から噴出した細かな火山灰を周辺地域に運んでいる。当局は火山灰が「危険ではない」と強調した上で、住民にマスクやゴーグルの着用を勧めている。

アナククラカタウ島は今年7月以降地鳴りを繰り返していたが、先週から特に活発化している。

1分間に数回の頻度で噴火音が聞こえることから、海中に新たな火口がある可能性があり、爆発は現在も継続中かもしれないとBNPBは付け加えた。

津波による被害

20日にスマトラ島とジャワ島のわなガン年を襲った大津波で、少なくとも430人が死亡した。行方不明者は150人以上に上っている。

津波のため観光客に人気の複数行楽地で建物数百棟が損害を受けたほか、自動車が押し流され、樹木も根こそぎ流された。

少なくとも1万6000人以上が現在も避難したままとなっている。救急隊は、都市部から距離のある津波の被害地域への到達に苦戦している。

モスク(イスラム教礼拝所)や学校などの一時避難施設では数千人が生活しており、床で寝泊りしている人も大勢いる。来年1月4日まで国家非常事態宣言が発令され続けるという。

Image copyright Getty Images
Image caption 数千人が避難を余儀なくされ、その場しのぎの避難所で生活している

一部避難者によると、清潔な水や汚れのない衣服、毛布が足りていないという。

報道によると、津波により交通が遮断されていたスムルには、ようやく医療部隊が到着し始めた。ボランティアが協力して、コンクリートのブロックで急造の橋を作り、地域に人が入れるようにしたという。

<関連記事>

今回の津波は、火山島アナククラカタウの火山活動によって海底で起きた地滑りが原因と考えられている。

Image caption 火山により岩や堆積物が海へ滑落したのが津波発生の原因とされる

環太平洋全域のほとんどを円形につなぐ、地震や火山噴火の頻発地域「炎の輪」に位置するため、インドネシアでは津波が多い。

今年9月には、インドネシア中部スラウェシ島の近海で大地震が発生。地震で発生した津波は湾岸都市パルを襲い、2000人以上が死亡した。

(英語記事 Anak Krakatau: Indonesia flights rerouted as volcano alert level raised

この話題についてさらに読む