ゴールデングローブ賞、英俳優が多数受賞 作品賞は「ボヘミアン・ラプソディ」

Brian May and Roger Taylor of Queen with Rami Malek Image copyright Getty Images
Image caption イギリスのロックバンド「クイーン」を題材にした「ボヘミアン・ラプソディ」で主演男優賞を受賞したラミ・マレックさん(中央)、クイーンのオリジナルメンバーのブライアン・メイさん(左)、ロジャー・テイラーさん(右)

米ロサンゼルスで7日、ハリウッド外国人映画記者協会がテレビと映画の優秀作品を選ぶ第76回ゴールデングローブ賞の授賞式が開かれた。イギリスからはオリヴィア・コールマンさん、クリスチャン・ベールさん、リチャード・マッデンさん、ベン・ウィショーさんといった俳優が続々と受賞したほか、イギリスのロックバンド「クイーン」を題材にした「ボヘミアン・ラプソディ」が映画(ドラマ)部門で最優秀作品賞を受賞した。

コールマンさんは「女王陛下のお気に入り」で、映画(コメディ・ミュージカル)部門の主演女優賞を受賞。ベールさんも「VICE」で同部門の主演男優賞となった。

マッデンさんとウィショーさんは、共にBBC制作のドラマでトロフィーを手にした。

「ボヘミアン・ラプソディ」は、レディー・ガガさんが主演した「アリー/ スター誕生」や、マーベル制作「ブラックパンサー」といった注目作を抑えての最優秀作品賞受賞となった。

また、この作品でクイーンのリード・ボーカル、フレディー・マーキュリー役を務めたラミ・マレックさんが、映画(ドラマ)部門の主演男優賞に選ばれた。

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Image caption テレビドラマ部門で女優賞を獲得したサンドラ・オーさん

「ボヘミアン・ラプソディ」は監督の交代など製作段階から混乱が報道され、映画評論家の意見も賛否両論だった。

しかし公開と同時に大きな反響を呼び、マレックさんにも、2月24日に発表されるアカデミー賞で主演男優賞の期待が高まっている。

マレックさんはスピーチで、受賞は「感動以上のもの」だと述べ、クイーンに感謝を伝えた。

特に映画製作にも参加し、授賞式に出席していたブライアン・メイさんとロジャー・テイラーさんには「ブライアン・メイとロジャー・テイラー、あなたたちのおかげで、この世には確かに誠意と包摂性がある」と壇上から称えた。

また、1991年に亡くなっているフレディ・マーキュリーさんには、「この受賞はゴージャスなあなたのため、そしてあなたのおかげだ!」と感謝した。

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Image caption ゴールデングローブ賞を受賞した英俳優たち。左から、オリヴィア・コールマン、ベン・ウィショー、リチャード・マッデンの各氏

ゴールデングローブ賞はアカデミー賞の前哨戦と見なされている。

映画(コメディ・ミュージカル)部門では、1960年代のアメリカ南部の人種差別問題に深く切り込んだ「グリーンブック」が最優秀作品賞、主演男優賞、脚本賞の3冠を達成した。

同部門で主演女優賞を受賞したコールマンさんは、18世紀のイングランドを舞台にした「女王陛下のお気に入り」でアン女王を演じた。受賞スピーチでコールマンさんは上気した面持ちでトロフィーを掲げ、「エドと子どもたち、見て! やった!」と家族に呼びかけた。

ベールさんは、ジョージ・W・ブッシュ政権のディック・チェイニー副大統領の半生を描いた「VICE」で主演男優賞を受賞した。同時多発テロ後の対テロ政策やイラク戦争開戦など、ブッシュ政権の政策決定に大きく関与し、リベラルからは「ダースベイダー」と呼ばれたチェイニー氏を演じたベールさんは、インスピレーションを与えてくれたと「サタン」に感謝。この日の授賞式でも特に政治的な一瞬だった。

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Image caption レディー・ガガさん主演の「アリー/スター誕生」は主題歌賞を受賞したが、レディー・ガガさんは主演女優賞を逃した

映画(ドラマ)部門では、「天才作家の妻 40年目の真実」のグレン・クローズさんが、レディー・ガガさんを抑えて主演女優賞を獲得した。

受賞演説でクローズさんは、女性は家庭生活を守るだけでなく夢を追うことが大切だと訴えた。

「女性の皆さん、私たちに期待されているのは養育者という立場です。夫と子どもがいても、自分自身が満足できることを見つけ、夢を追うべきです。そして『私はそれができる』と、『私はそれを許されるべきだ』と言うべきです」

レディー・ガガさんは「アリー/ スター誕生」で主演女優賞にノミネートされていた。同作品は、作中歌「シャロウ」で主題歌賞を受賞した。

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Image caption 主演男優賞(コメディ・ミュージカル)を受賞したクリスチャン・ベールさん

テレビドラマ部門では、マッデンさんが「ボディガード -守るべきもの」で男優賞(ドラマ部門)を受賞した。

スコットランド出身のマッデンさんはこのドラマで、ロンドン警視庁の要人警護部門に所属するデイヴィッド・バッド巡査部長を演じた。イギリス国内では最終エピソードの視聴者が17万人を越え、2002年以降で最も視聴数の多いテレビドラマとなった。「ボディガード」はイギリス以外ではネットフリックスが配信している。

マッデンさんは受賞について、「全く予想してなかった」と話した。

スピーチでは共演者のキーリー・ホーズさんを「共演した中で最高の女優」と称えたほか、ジェド・メルキュリオ監督や、地元スコットランドから参加した両親に感謝を述べた。

テレビドラマ部門ではこのほか、「英国スキャンダル〜セックスと陰謀のソープ事件」に出演したウィショーさんが助演男優賞(シリーズ・ミニシリーズ・テレビ映画部門)を獲得した。

1970年代に実際に起きた議員脅迫事件とそれにからむ殺人未遂事件を描いたドラマで、ウィショーさんは議員と同性愛関係にあると主張し、殺人計画の標的にされたノーマン・スコット役を演じた。

ウィショーさんはこの役について、「勇気と抵抗で権威に立ち向う姿は本当に刺激的だった」と述べ、「彼はクイアにとって本物の英雄で、アイコン的存在だ。この受賞はノーマンのもの」と語った。

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Image caption テレビドラマ部門で男優賞(コメディ・ミュージカルシリーズ)を受賞したマイケル・ダグラスさんと、妻のキャサリン・ゼタ・ジョーンズさん

テレビドラマ部門ではこのほか、作品賞(テレビシリーズ)はスパイドラマ「ジ・アメリカンズ」が、作品賞(コメディー・ミュージカルシリーズ)はシニア世代の友情を描いたネットフリックス制作の「コミンスキー・メソッド」がそれぞれ受賞した。

また、「コミンスキー・メソッド」からは、マイケル・ダグラスさんが男優賞(コメディー/ミュージカルシリーズ)に選ばれている。

女優賞(ドラマシリーズ)は、暗殺者と捜査官の2人の女性を描いた「キリング・イヴ/Killing Eve」のサンドラ・オーさんが受賞した。オーさんはアジア系俳優として初めて、ゴールデングローブ賞授賞式の共同司会を務めた。

(英語記事 British stars enjoy Golden Globes glory

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