トランプ米大統領、ロシアのために働いたことはないと主張

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ドナルド・トランプ米大統領は14日、自分とロシア政府との関係を取りざたする米主要紙の連続報道を受け、「ロシアのために働いたことなどない」と記者団に述べた。

大統領はホワイトハウスの外で記者団にロシアの手先だったのかと質問され、これを否定。さらに、「そんなことを聞くこと自体、みっともない話だ。何もかもとてつもないでっちあげなのに」と述べた。

13日付の米紙ワシントン・ポストは、匿名の現職政府関係者や元政府関係者の話をもとに、トランプ氏がロシアのウラジーミル・プーチン大統領との会談の詳細を政権幹部に隠してきたと伝えた。2017年7月に独ハンブルクで会談した際には、通訳のメモを取り上げ、他の政権幹部に内容を共有しないよう指示したという。

トランプ氏が昨年7月にフィンランド・ヘルシンキでプーチン氏と2時間にわたり会談した際には、同席したのは通訳のみだった。ワシントン・ポストはこの時の会談内容も、政府高官に共有されていないと伝えた。

これに先立ち11日には、米紙ニューヨーク・タイムズが連邦捜査局(FBI)について、2017年5月にトランプ氏が当時のジェイムズ・コーミー長官を電撃解任した後、トランプ氏がロシア政府の手先ではないかと疑いFBIが捜査に着手していたと伝えた。

こうした状況で大統領は12日夜、保守系フォックス・ニュースの司会者からロシアの手先として働いたことはあるのかと尋ねられると、「そんな無礼なことを質問されるのは初めてだ」と反発した。

ニューヨーク・タイムズ記事は、トランプ氏がロシア政府関係者から指示を受けていたという証拠は浮上していないと書いている。

トランプ氏は14日には、コーミー氏解任は「大いにこの国のためになった」と述べ、FBI捜査員を「悪党」「汚職警官」などと罵倒した。

さらにトランプ氏は、ハンブルク会談の通訳メモを取り上げたというワシントン・ポスト報道について質問されると、「どれもこれもフェイクニュースだ」と述べた。「あれはとても良い会談だった。実際、とてもうまくいった会談だった」とトランプ氏は言い、プーチン大統領とはイスラエルや独ロ間のパイプラインなどを話し合ったと説明した。

「ああいう会談はしょっちゅうある。大したことじゃない」

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Image caption 米ロ大統領は通訳のみを介して一対一で会談したこともある

大統領はこの日、ルイジアナ州ニューオーリンズで開かれる農業関係者会議に出席するためホワイトハウスを離れた。

米ABCニュースによると、下院の民主党はトランプ・プーチン会談に同席した米国側通訳の議会喚問を検討しているという。

トランプ氏相手に2016年米大統領選を戦った民主党のヒラリー・クリントン氏は2016年10月のテレビ討論会で、トランプ氏をロシアの「操り人形」と呼び、トランプ氏はこれに「操り人形なんかじゃない」と反論していた。

そのクリントン氏は14日、ツイッターでその時のやりとりの動画と共に「私が言った通り。操り人形」とツイートした。

大統領の元弁護士が下院公聴会に

昨年11月の中間選挙で下院を奪還した民主党は、今月初めから下院多数党としての動きを強めている。

トランプ氏と不倫関係にあった女性への口止め料支払いで政治資金法違反などで有罪となったマイケル・コーエン元弁護士は、下院民主党の招きに応じ、2月7日に下院監査委員会の公聴会で証言する予定。

下院監査委員会のイライジャ・カミングス委員長(民主党)、同情報委員会のアダム・シフ委員長(同)、同司法委員会のジェロルド・ナドラー委員長(同)は連名でトランプ氏に対して、長年にわたる自分の側近だったコーエン元弁護士に圧力をかけ、証言をためらわせたり、威圧したりしてはならないとする声明を発表した。

コーエン元弁護士は昨年12月に禁錮3年を言い渡された際、トランプ氏が自分に「光でなく闇の道を進む」よう仕向けたと陳述し、「(トランプ氏の)汚い真似を隠すのが自分の義務だと感じていた」と発言していた。

ムラー捜査の今後は

FBIのコーミー長官解任後、司法省がロシアによる大統領選介入疑惑の捜査にロバート・ムラー元FBI長官を特別検察官に任命した。トランプ氏に対するFBIの捜査は、ムラー特別検察官の捜査に取り込まれたとニューヨーク・タイムズは伝えている。

ムラー特別検察官に対する指揮権は司法長官が持つ。昨年11月にジェフ・セッションズ長官が更迭されて以来、長官代行が務めていたが、トランプ氏は後任に1991~1993年にかけて父ブッシュ政権の司法長官だったウィリアム・バー氏を指名した。

上院での指名公聴会は15日から予定されており、そこでバー氏は「特別検察官が捜査を最後まで終えられることは、きわめて重要だと考えている」と証言する予定。バー氏はさらに、ムラー捜査で明らかになった内容の公表を約束する見通し。

ただし、バー氏は昨年6月の時点で、ムラー捜査には「致命的な問題がある」と法的意見を書いているため、上院司法委の民主党議員たちがこの点の真意を問いただすのは必至だ。

(英語記事 Trump denies he ever worked for Russia

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