介護施設で長年暮らす女性が出産、看護師逮捕 米アリゾナ州

Mugshot of the suspect Image copyright Maricopa County Sheriff's Office
Image caption 逮捕されたネイサン・サザーランド容疑者は出産した女性の世話を担当していたという

米アリゾナ州の介護施設で幼い頃から暮らす女性が昨年末に出産した件について、女性の介護を担当していた看護師が性的暴行などの疑いで逮捕された。

マリコパ郡保安官事務所によると、州都フィーニックス近郊にあるハシエンダ・ヘルスケア・クリニックで出産した29歳女性の介護を担当していたネイサン・サザーランド容疑者(36)を性的暴行および危害を受けやすい弱い状態にある成人を虐待した疑いで逮捕した。

女性は幼児のころから介護施設に入所していたという。昨年12月29日に男の子を出産した。施設職員は、女性の陣痛が始まるまで、妊娠に気づかなかったと話している。

男の子は健康で、女性の家族が面倒を見ている。

保安官事務所のトミー・トンプソン巡査部長は、「私たちは自分がこの世にどうやって生まれてくるかを必ずしも選べないが、私たちはコミュニティーとしてこの子供を愛することができるはずだ」と述べた。

フィーニックス警察のジェリ・ウィリアムズ本部長は、「古典的な警察捜査」を通じてサザーランド容疑者を特定したと説明した。

出産した女性は性行為に同意することができないため、男児出産後に警察が捜査に着手した。

裁判所は容疑者にDNA検体の提出を命令。検査の結果、男児のDNAと合致することが分かった。

ウィリアムズ本部長は、「被害者のために何としても容疑者を逮捕する必要があった。このコミュニティーの新しい一員となった、あの罪のない赤ちゃんのためにも、逮捕する必要があった」と話した。

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警察はさらに、ほかにもサザーランド容疑者が暴行した入所者がいるかどうかを調べている。ハシエンダ・クリニック専属の従業員だったか、他の施設でも働く契約スタッフだったかは明らかになっていない。

女性の状態は

被害女性の家族の代理人、ジョン・マイケルズ弁護士は、家族は容疑者逮捕について承知しているがコメントはしないと明らかにした。

被害者の家族はこれまでに、自分たちの「愛する娘」は幼児期の発作によって「重篤な知的障害」を患っていると説明している。

マイケルズ弁護士は報道陣に、女性には「感情があり、本を読んでもらうのが好きで、静かな音楽が好きで、家族をはじめ慣れ親しんだ人に反応することができる」と説明した。

地元紙アリゾナ・リパブリックが伝えた法廷資料によると、女性は「覚醒していない」状態で「最大限の介護を必要とする」状態だという。

アリゾナ州の裁判所に提出された医療記録によると、出産の37週間前に受けた健康診断では、健康状態に大きな変化はなかった。

容疑者の弁護士は反論

調べによると、サザーランド容疑者は看護師資格を持ち、2011年からハシエンダ・ヘルスケア・クリニックで働いていた。事件当時、被害女性の介護責任者だった。

23日に出廷し、現金50万ドル(約5500万円)を払い保釈された。

デイヴィッド・グレガン弁護士によると、サザーランド容疑者は1993年からアリゾナ州に住み、幼い子供たちの父親だという。

「サザーランド氏が犯行に及んだという直接的な証拠はない。現時点でDNAがあることは承知しているが、自分が選んだDNA専門家の鑑定を受ける権利がある」

責任者は辞任

ハシエンダ・ヘルスケアは声明で、サザーランド容疑者の採用時には「身元調査を徹底した」だけに、逮捕に「言いようのないほど動揺」しているとコメントした。

逮捕されたことを知ってただちに、容疑者を解雇したという。

施設の最高責任者はすでに引責辞任している。また、女性の治療責任者だった医師もすでに辞任し、別の医師は職務停止処分を受けている。

(英語記事 Nurse arrested over US care home patient pregnancy

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