スコットランドの前首相、強姦未遂などで訴追 本人は容疑否定

英スコットランドの検察当局は24日、スコットランド自治政府のアレックス・サモンド前首相(64)を強姦未遂や性的暴行などの疑いで逮捕・訴追した。サモンド容疑者はこの日、エディンバラ州裁判所に出廷したが罪状認否に応じず、保釈された。
2007~2014年に首相を務めたサモンド容疑者に対する容疑は、強姦未遂2件、性的暴行9件、暴行2件、治安妨害1件の計14件。
保釈されたサモンド容疑者は裁判所の前で無罪を主張し、「徹底的に」戦うと話した。
前首相の疑惑をめぐっては、スコットランド自治政府の調査を経て、警察が捜査を進めていた。23日には、警察がサモンド容疑者を聴取していた。
前首相は24日午後2時ごろ(日本時間同午後11時ごろ)に出廷。審理は部外者立ち入り禁止で行われた。
審理後に裁判所の前で記者会見したサモンド容疑者は、「刑事訴訟手続きが開始された今、裁判所を尊重することが重要だ」と話した。
「そのため私が言えることは、この疑惑を完全に否定し、裁判で徹底的に戦うということだけだ」
司法審査
次回期日は未定となっている。
スコットランド自治政府はサモンド容疑者の疑惑について調査したが、サモンド容疑者はこの調査が公平性に欠けていたとして司法審査を求めていた。
自治政府は先に民事控訴院で、調査手続きに誤りがあったことを認めている。
アレックス・サモンド容疑者とは
- スコットランド国民党(SNP)の党首を2度務めた経験があり、2007年の総選挙では同党を政権獲得に導いた
- 2014年のスコットランド独立をめぐる住民投票の後に首相職を辞任した
- 2015年には英議会の下院議員となったが、2017年の総選挙では敗退している。
- その後は、ロシア国営テレビRTのトークショーで司会を務めている
- 2018年にスコットランド政府への司法審査を要求する際にSNPを離党した