米上院、政府再開の法案否決  政府閉鎖34日

Federal workers protest in a Senate office building on Wednesday Image copyright Getty Images
Image caption 上院議員会館で政府閉鎖に抗議する連邦政府職員(23日、ワシントン)

米上院は24日、連邦政府の再開を可能にするための法案2本を否決した。ドナルド・トランプ大統領が求める南側国境の壁建設費用をめぐる一部政府機関の閉鎖は、史上最長の34日目を迎えても終わる見通しが立っていない。

昨年12月22日から給与未払いが続く連邦政府職員約80万人は、25日の給与支給日にも給与を受け取れない見通し。

連邦政府再開のための法案は、定数100の上院で3分の2以上の賛成60票を必要としていたが、与党・共和党が提出した法案は賛成50、反対47、野党・民主党の法案は賛成52、反対44で、必要な賛成票に届かなかった。上院の議席は現在、共和党53、民主党45、無所属2の構成となっている。

2月8日までのつなぎ予算成立を目的にした民主党法案には、共和党から6人が賛成に回った。2012年大統領選の共和党候補だったミット・ロムニー議員(ユタ州選出)も賛成した。

トランプ大統領が要求する壁建設予算57億ドルを承認して政府再開を目指した共和党の法案には、民主党議員1人が賛成した。この法案には、子供として不法入国した一部の米住民を強制送還から一時的に保護する措置も含まれていた。

上院採決後にトランプ氏はホワイトハウスで記者団に、国境の壁に対する「頭金」を含む法案にしか署名しないと述べた。

一方で、民主党幹部のナンシー・ペロシ下院議長は、大統領の要求は合理的でないと批判した。

2法案の否決後に共和党のミッチ・マコネル院内総務と民主党のチャック・シューマー院内総務が短く協議したが、事態打開の見通しは立たなかったもよう。

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米連邦政府閉鎖で給与未払い…子供が生活のため絵を売ると

上院本会議場で与野党の議員たちは、互いを激しく非難しあった。

民主党のマイケル・ベネット議員(コロラド州)は壁建設を支持する共和党のテッド・クルーズ議員(テキサス州)に対して、給与未払いの連邦政府職員のことなど気にせず、トランプ氏の掲げる「中世的な壁」を支持しながら、連邦政府職員を心配する振りをするなと激しい口調で攻撃した。

一方で、富豪のウィルバー・ロス商務長官は24日、米CNBCに出演し、給与未払いの連邦職員は銀行ローンを組めば良いのであって、なぜフードバンク(福祉団体による食糧提供支援事業)を使う必要があるのかと発言した。

これについてペロシ議長は、「まるで『だったらお菓子を食べればいいじゃない』的な態度だ」と批判した。

上院採決に先立ちAP通信が発表した世論調査によると、トランプ氏の支持率は34%で1カ月前の42%から大きく下落している。一方で、共和党支持者の間の支持率は77%だった。

この世論調査では、政府閉鎖の責任の所在について、6割がトランプ氏にあると答えている。

24日には年末に退任したジョン・ケリー前大統領首席補佐官と4人の国土安全保障長官経験者が連名で、大統領と議会に公開書簡を送り、国土安全保障省の予算を復活させるよう呼びかけた。ケリー氏たちは、同省職員たちが国の安全保障にかかわる職務を無給で続けているのは「良心に反する」ことだと主張し、国家公務員が「家族の食事を確保し生活費を工面するため、人の慈善に頼らなくてはならない」などあってはならないと訴えた。

連邦政府閉鎖の影響

  • 連邦捜査局(FBI)――全国のFBI捜査官が、予算切れで業務が破綻する寸前だと報告している。デリケートな捜査が遅滞し、捜査に影響が出ているという
  • 航空の安全――航空管制、操縦士、客室乗務員の労組幹部が今週、「現在のリスクがいかに深刻か計算さえできない」と声明を出した
  • 食糧不足――ワシントン州の沿岸警備隊の家族のために開かれたフードバンクが、需要超過で食事が提供できなくなった
  • 移民手続きの遅延――4万2000件以上の移民申請の審理が中断された。すでに80万件の申請が審理されず、たまっている
Image caption 1980年以降に連邦政府が予算切れのため閉鎖した日数(出典:米議会調査局)

(英語記事 US shutdown: Senate rejects bills to reopen government

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