北朝鮮は「核放棄しない」 米情報機関トップが悲観的な見解

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Image caption 上院情報特別委員会の公聴会で北朝鮮について証言したダン・コーツ米国家情報長官(29日、米ワシントン)

米情報機関トップのダン・コーツ国家情報長官は29日、北朝鮮が「核兵器を完全に放棄する可能性は低い」との悲観的な見方を示した。2回目の米朝首脳会談が2月末までに開かれる見通しの中、非核化をめぐる米朝交渉に自信を示すトランプ米政権と情報機関の認識のずれが浮き彫りとなったかたち。

コーツ氏と他の情報機関の長官らは29日、上院情報特別委員会の公聴会で証言した。

コーツ氏がまとめた「世界の脅威に関する評価報告書」 によると、北朝鮮が重要なアメリカと国際的な譲歩を得るために、段階的な非核化の交渉をしようとしている間は、既存の核兵器とその開発能力を「放棄する可能性は低い」という。

核兵器の保持は「体制存続に不可欠」だと説明している。

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昨年6月にシンガポールで開かれた米朝首脳会談では、朝鮮半島の非核化について協議したが、これまでのところ停滞が続いている。

ドナルド・トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は2月末までに再び会談する見通しとなっている。

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Image caption マイク・ポンペオ米国務長官(右)と面会した北朝鮮の金委員長の側近、金英哲(キム・ヨンチョル)朝鮮労働党副委員長 (昨年12月、米ワシントン)

報告書は北朝鮮の非核化について厳しい見方を示すと同時に、中国とロシアからの脅威の高まりも指摘している。

コーツ長官は、ロシアと中国が「1950年代半ば以降のどの時点よりも連携している」と強調した上で、両国がそれぞれの洗練された「サイバースパイ活動」能力を使い、2020年米大統領選に影響を及ぼそうとするかもしれないと警告した。

さらにイランについては、現在は核兵器の製造はしていないが、同国の「地域における野心と軍事力の向上」は恐らく将来アメリカの国益を脅かすだろうと書いている。

トランプ大統領は2018年に、イランの核への野心を封じ込めるための歴史的取り決めだったイラン核合意からの離脱を決め、イランの行動を阻止するために更に厳しい制裁を科した。

米中央情報局(CIA)のジーナ・ハスペル長官は公聴会で、アメリカの離脱に関わらず、イランは2015年の核合意に「厳密に言うと(中略)従っている」と証言した。

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Image caption イラン核合意離脱を命じる大統領令に署名したトランプ米大統領(2018年5月)

中東地域について報告書はほかに、トランプ政権が勝利したと主張する過激派勢力「イスラム国」(IS)はいまだ敗北していないと強調している。

ISが今後新たに支配地域を獲得しようとすることはなさそうだが、「イラクとシリアで支配地域奪還を長期的目標に、イスラム教スンニ派の不満や社会不安、そして拡大した治安部隊を悪用」するだろうと指摘している。

トランプ大統領がISの敗北を宣言し、米軍のシリア撤退を指示したことに、同盟国や国内外には衝撃が走った。米政権はそれ以来、段階的に米軍を撤退させることに同意している。

しかしパトリック・シャナハン米国防長官代理は29日、記者団に対し、ISは残りの支配地域を失うと説明した。

長官代理は、「99.5%以上のIS支配地域がシリア人に返還されたと考えている。今後数週間のうちに、返還は100%完了するだろう」と述べたという。

(英語記事 North Korea 'unlikely to abandon nukes'

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