ヴェネズエラ最高裁、野党代表の出国禁止と口座凍結

Mr Guaidó speaking in Caracas interview Image copyright Getty Images

経済危機と政情不安で揺れる南米ヴェネズエラの最高裁判所は29日、野党代表のフアン・グアイド国民会議議長(35)の出国を禁止したほか、銀行口座を凍結する判断を下した。

グアイド国会議長が23日に暫定大統領就任を宣言して以降、ヴェネズエラではニコラス・マドゥロ大統領率いる左派政権と反対派との間で権力争いが続いている。

グアイド国会議長については、アメリカをはじめ20カ国以上が暫定大統領として承認している。一方のマドゥロ大統領は、ロシア、中国、メキシコ、トルコの支持を得ている。

また、ヴェネズエラの民主主義回復支援のために設立された南北米大陸14カ国の外相グループ「リマ・グループ」は、他国による「軍事介入」には反対している。

アメリカ高官は、この危機の解決に向けた「すべての選択肢が検討対象だ」としている。

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ヴェネズエラでは深刻な経済危機が続いており、数週間前から暴動も増加している。

今月10日にマドゥロ大統領が2期目に入って以降、国内全土で抗議行動が相次いでいる。マドゥロ大統領は昨年、多くの野党候補が投獄されるなど立候補できない状況の中、再選された。

国連によると、21日以降で少なくとも41人が暴動で死亡し、数百人が逮捕されている。

ヴェネズエラではハイパーインフレに加え、食品や医薬品といった生活必需品が不足しており、数百万人の国民が国外に脱出している。

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最高裁の判断とは?

マドゥロ大統領を支持する最高裁は29日、タレク・ウィリアム・サーブ検事総長が提出したグアイド国会議長に対する「警告措置」を早急に承認した。

マイケル・モレノ判事は、グアイド氏は「ヴェネズエラの平和を侵害した」ため、検察による事前捜査が終わるまでは「出国を禁止」すると述べた。

グアイド氏は最高裁命令がない限り、国会議長として起訴を免責される。

グアイド氏は議会前で記者に対し、こうした動きは「何も目新しくない」と語った。

「脅しや迫害を軽んじるつもりはないが、我々はこうしてここにいる。ただ仕事を続けるだけだ」

アメリカはこの日、ヴェネズエラがアメリカに持つ国外口座の利用権をグアイド国会議長に移管すると発表している。

ジョン・ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)はツイッターで、「ヴェネズエラの前検事総長によるフアン・グアイド暫定大統領に対する不法な脅迫を非難する。民主主義を損ない、グアイド氏を傷つける行為には相応の深刻な結果が待ち受けていると繰り返しておこう」と述べた。

今月初めに国民会議議長に就任したグアイド氏は、大統領選をやり直すまで大統領職代行の憲法上の権利が自分にはあると表明。これにより反政府勢力が活気づき、まとまりを見せるようになった。

グアイド氏は28日、BBCの取材で「ヴェネズエラでは権力が乱用され、独裁政治が続いている。だから自由選挙を行うのが私の義務だ」と話した。

「マドゥロ政権による独裁と圧政、拷問を受け入れるか、自由と民主主義、国民の繁栄を選ぶか、どちらかだ」

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アメリカの動きは?

ボルトン補佐官は28日、ヴェネズエラの国営石油会社PDVSAについて、資産凍結や米国人との取引禁止などの制裁対象にしたと発表。これによってマドゥロ大統領は「これ以上、ヴェネズエラ国民の資産を略奪することができない」と述べた。

一方、ボルトン氏は会見で、ヴェネズエラへの軍事介入の可能性を否定しなかった。

ボルトン氏が発言する最中に、手元の手書きメモに「コロンビアに兵5000人」と書かれているのを周りの記者たちが気づいたが、意味は不明だ。

これについてパトリック・シャナハン国防長官代行は、「ボルトン長官とは(派兵について)話していない」と述べ、コメントを控えている。

一方、マドゥロ大統領を支持するロシアのセルゲイ・ラヴロフ外相は、アメリカによるPDVSA制裁は「あらゆる国際法」に違反しており、ロシアは「合法なマドゥロ政権を支援するため万全を尽くす」と述べた。

Image caption マドゥロ大統領を支持する国(赤)と、グアイド国会議長を暫定大統領として認める国(青)

(英語記事 Travel ban for Venezuela opposition head

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