2回目の米朝首脳会談、27日からヴェトナムで トランプ氏演説

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Image caption 米連邦議会で一般教書演説をするドナルド・トランプ米大統領(5日夜、ワシントン)

ドナルド・トランプ米大統領は5日夜の一般教書演説の中で、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長との2回目の首脳会談について、今月27日と28日にヴェトナムで開催することを明らかにした。

「Choosing Greatness(偉大性を選択)」をテーマに国民に向けて演説したトランプ大統領は、南側国境の壁を建設するとあらためて誓った。

また、トランプ氏は政治的団結を強く呼びかける一方で、「党派対立によるばかげた調査」はアメリカの繁栄を損ないかねないと批判した。

演説への反論で野党・民主党は、トランプ氏がアメリカの価値観を放棄していると非難した。

テレビのゴールデンタイムに生中継された一般教書演説は、当初先月29日に予定されていたが、過去最長となった米政府機関の部分閉鎖の影響で延期されていた。

メキシコ国境の壁建設費をめぐっては、連邦政府予算の一部に組み込みたいトランプ氏と、予算決定権を握る下院で多数党の民主党が対立。壁の建設費用が含まれないつなぎ予算案への署名をトランプ氏が拒否したため、政府機関の大半が閉鎖に追い込まれた。その後、トランプ氏が2月15日までのつなぎ予算を確保する予算案に合意したことで一時的に再開された。

ただし、来週末までに支出計画で合意がなされない場合は、再び閉鎖となる可能性がある。

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82分間に及んだ演説でトランプ氏は、金委員長との2回目の首脳会談を27日と28日にヴェトナムで開催すると発表した。

昨年6月にシンガポールで行われた現職米大統領と北朝鮮の最高指導者の歴史的な初会談以降、2回目の会談開催に向けて交渉が進められていた。

トランプ氏は、「米国人捕虜が帰国し、核実験も止まっている。実に15カ月もの間、ミサイルの発射実験が行われていない」と述べた。

さらに、「もし私がアメリカ合衆国大統領に当選していなかったら、個人的見解としては、我々は今頃、北朝鮮と大戦争になっていただろう」、「まだやらなければならない事は多く残っているが、私と金委員長は良い関係を築いている」と続けた。

政治的団結を呼びかけ、民主党の反応は?

トランプ氏の大統領就任から2年間、米政界では激しく苦々しい党派対立が繰り広げられてきた。その状況でトランプ氏は、過去2回の議会演説で強調したように、政治的団結の重要性を呼びかけた。

「政治的こう着状態は、我々が一緒になれば打破できる。古い分断に橋をかけ、古い傷を癒し、新しい連立を築くことができる」とトランプ氏は述べ、国内のインフラ改善や処方薬の薬価引き下げ、幼児がん対策推進などといった分野では与野党の協力が可能なはずだと強調した。

トランプ氏はその上で、「アメリカでは経済の奇跡が起きている。それを邪魔できるのは、くだらない戦争や政治争い、そして党派対立によるばかげた調査(investigation)だけだ」と発言した。

昨年11月の中間選挙で下院の多数党となった民主党は、今年1月の議会開会以降、トランプ政権について様々な調査(investigation)を開始した。

さらに、2016年米大統領選で陣営がロシア当局と結託していたのではないかという疑惑については、特別検察官が捜査(investigation)を続けている。

トランプ氏が全国に生中継された演説をする間中、背後の壇上には民主党幹部としてトランプ氏と激しく対立してきたナンシー・ペロシ下院議長がずっと座っていた。

ペロシ議長はトランプ氏が「我々は復讐と抵抗と報復の政治を拒絶し、協力と妥協と共通利益がもたらす無限の可能性を受け止めなくてはならない」と発言すると、壇上で立ち上がり、トランプ氏の顔をのぞき込むようにしながらことさらに大きく拍手した。

ペロシ議長は演説の後、「今夜の大統領による誤った発言のすべてについて事実関係を確認するには、何日もかかる」とツイートした。

白い服で女性参政権実現100年を記念

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「本当はそんなことしちゃ」 野党の女性議員たちがトランプ氏に拍手

昨年の中間選挙の結果、女性下院議員は過去最多となった。

一般教書演説では、民主党の女性議員たちと共和党の一部の女性議員たちがアメリカの女性参政権実現100年を記念し、白い服を着て登院。大統領の演説の随所で与党・共和党の議員が立ち上がり拍手する間、白衣の女性議員たちは無表情で着席を続けた。

しかし、トランプ氏が女性の社会進出がかつてなく進んでいる事例として、過去最多の女性議員が誕生したことに触れると、この女性議員たちは立ち上がり盛大に拍手し、共和党と大統領を驚かせた。

トランプ氏は「素晴らしい、最高だ」と民主党議員たちの拍手を歓迎した。

シリアは「血に飢えた怪物から解放された」

トランプ氏は、アフガニスタンでの紛争の解決策を見つけるために、米政権はタリバンと「建設的な協議」を行ってきたと述べた。

さらに、「少なくとも平和を模索する時が来た」と付け加えた。

また、過激派組織「イスラム国(IS)」によってシリアとイラクで支配されていた地域の「事実上全て」が「これらの血に飢えた怪物」から解放されたとし、「我々のシリアの勇敢な戦士たちを温かく迎える時が来た」と続けた。

中東で20年近く続く戦争により、7000人もの米兵が命を落とし、アメリカは768兆円相当を投じたという。

「アメリカ第一」主義を掲げるトランプ氏は、「素晴らしい国家は終わりなき戦争などしない」と述べた。

メキシコ国境の壁建設は固持

トランプ氏は、不法移民を「差し迫った国家の危機」だとしてメキシコ国境の壁建設を改めて誓った。

しかし一方で、議会の承認なしに予算を組むことが可能になる緊急事態の宣言は避けた。

政府機関は先月28日に期限付きで再開しているが、今回のつなぎ予算が失効する2月15日が迫る中、トランプ氏には国境の壁建設の資金を調達する選択肢がほとんど残されていない。

トランプ氏は聴衆に対し、労働者階級の米国民が不法移民の代償を払うことになると述べた。

(英語記事 Trump announces second North Korea summit

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