ヴェネズエラ、国境封鎖で支援物資届かず 政府が搬入阻止

Lorries with humanitarian aid drive past a Colombian policeman to the Tienditas Bridge on the border between Colombia and Venezuela. Photo: 7 February 2019 Image copyright AFP/Getty Images
Image caption ヴェネズエラへの食糧と医薬品を載せた車両が7日、隣国コロンビア・ククタの支援物資の集配施設に到着した

政情不安で揺れる南米ヴェネズエラへのアメリカからの支援物資の第一陣が7日、国境を接するコロンビア・ククタに到着したが、政府が国境の橋を封鎖したため、国内に物資を搬入できない事態となっている。

支援物資を載せた複数の車両は、ヴェネズエラ軍が封鎖を続けるヴェネズエラとコロンビアにまたがるティエンディタス橋の手前で立ち往生している。

アメリカからの人道支援をめぐっては、ヴェネズエラ大統領が「軍事介入の口実」だとして受け入れを拒否しており、6日には軍がヴェネズエラとコロンビアを結ぶ国境の橋を封鎖して支援物資の流入を阻止した。

ヴェネズエラ軍の支持を得ているニコラス・マドゥロ大統領(56)は、軍事介入の口実だとして支援物資の受け入れを拒否している。

先月23日に暫定大統領への就任を宣言した反マドゥロ派の野党代表フアン・グアイド国会議長(35)は、国際的な支援が行き届かなければ多くのヴェネズエラ国民の命が危ういと警告している。

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グアイド氏は、マドゥロ大統領の2期目就任が違法だと判断されれば、自分は憲法上、大統領権限を一時的に掌握する資格があると主張している。

同氏については、アメリカのほか、中南米諸国と欧州各国のほとんどを含む40カ国以上が暫定大統領として承認している。一方のマドゥロ氏は中国とロシアの支持を得たままだ。

その他の動き

  • アメリカは、マドゥロ政権幹部への追加制裁を発表した。ヴェネズエラ政府の統制下にある憲法制定議会議員のビザが取り消されることとなる。
  • 欧州および中南米諸国は、ヴェネズエラ国内での完全な民主主義回復が重要だと主張し、大統領選の早期やり直しを求めている。

アメリカからの人道支援物資

食糧と医薬品を積んだ複数のトラックが7日、隣国コロンビア・ククタの支援物資集配施設に到着した。コロンビア警察がバイクで護衛した。

Image copyright AFP/Getty Images
Image caption ヴェネズエラ軍は隣国コロンビアとの国境にまたがるティエンディタス橋にタンクローリーなどを置いて国内への物資搬入を阻止している

ヴェネズエラ軍は6日、同国ウレニャとコロンビア・ククタを結ぶティエンディタス橋に貨物用コンテナやタンクローリーなどを置き、国内への物資搬入を阻止している。

現時点では、これらの人道支援物資がどのようにヴェネズエラ国内へ届けられるのかは不明。

マドゥロ氏は、同氏を追放しようとしているアメリカ側に軍事介入の道を切り開くおそれがあるとして、国外からの支援物資の受け入れを拒否している。

同氏は「誰1人として入国させない。兵士の1人たりとも侵攻させない」と述べた。

一方で、マイク・ポンペオ米国務長官は「マドゥロ政権は飢える国民に物資が行き届くのを認めなくてはならない」と述べ、国境の橋の再開を求めている。

複数のヴェネズエラ政府幹部も、国内への物資搬入を認めるよう軍に呼びかけている。

人道支援計画

グアイド氏はヴェネズエラ国内に支配地域を一切持っていない。そのため代わりに、多くのヴェネズエラ人が避難している近隣諸国に、支援物資の集配施設を設置しようとしている。

同氏は、支援物資を3カ所で集めるため国際的連携を確立し、援助の国内配給を認めるようヴェネズエラ軍に圧力をかけたいと述べた。

ジョン・ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は3日、支援物資が入っているとみられる山積みの段ボール箱の写真と併せて、グアイド氏の計画を週末にかけて推進しているとツイートした。

「グアイド大統領の呼びかけに応えて、アメリカはヴェネズエラの人々のため人道支援を動員し輸送する。必需品の支給が週末にかけて進むよう準備してくれた、米国際開発庁(USAID)、米国務省と関係機関の努力を称える」とボルトン氏は書いた。

同じ頃、ドナルド・トランプ米大統領は米CBSに対し、軍事介入も「選択肢の1つ」だと語っている。

トランプ大統領は5日夜の一般教書演説で、「私たちは自由への崇高な探求に立ち向かうヴェネズエラ国民と共にある」と述べ、グアイド氏への支持を繰り返した。

混乱の背景

長引く政治、経済の危機に直面するベネズエラでは、高いインフレ率に加えて、食品や医薬品の慢性的な不足が何年にもわたって続いている。2014年以来、約300万人もの住民が国外に逃れている。

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なぜヴェネズエラはアメリカにとって大事なのか そして逆もまた

マドゥロ大統領は昨年、多くの野党候補が投獄されたり、選挙をボイコットしたりする状況で再選され、今年1月に2期目就任を宣言した。

その後、グアイド氏が暫定大統領への就任を宣誓した。

グアイド氏は、マドゥロ大統領の2期目就任が違法だと判断されれば、自分は憲法上、大統領権限を一時的に掌握する資格があると主張している。2日には、支持者が「自由」を勝ち取るまで抗議は続くだろうと話した。

Image caption 赤色がマドゥロ氏を支持する国々、青色がグアイド氏を承認する国々、ピンク色が新たな大統領選挙の施行を提案する国々

(英語記事 Venezuela aid lorries stuck near border

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