英食品業界、ブレグジット「危機」を政府に警告 「壊滅的打撃」対策で忙殺 

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ブレグジット(イギリスの欧州連合離脱)を前に、イギリスの食品業界が政府に怒りを示している。30人以上の食品業界トップは11日、マイケル・ゴーヴ環境・食糧・農村地域相に書簡を提出し、政府の方針協議会への参加を取りやめると警告した。合意なしブレグジットの「壊滅的打撃」に備えて対策に忙殺されているためだという。

英スカイニュースが報じたこの書簡で、イギリスの食品業界トップは、欧州連合(EU)と合意のないまま離脱する可能性がますます高まり、今ではそれが最もあり得そうな結末だと指摘している。

イギリスは3月29日にEUを離脱するが、その条件をまとめた離脱協定はイギリス議会の承認を得ていないため、合意なしブレグジットになる懸念が高まっている。

政府は、EUと離脱協定を結んだ上で離脱するのが「最優先事項だ」という姿勢を崩していない。

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環境・食糧・農村地域省の報道官は、「食料・飲料業界の代表と毎週、会合を開き、全てのシナリオに対する準備を支援している」と説明した。

しかし食品業界は書簡で、業界が「危機寸前」の状況にあると述べている。

この書簡には食品加工業の食品・飲料連合、全英農業者連盟、外食・ホテル・娯楽産業のUKホスピタリティーといった食品関連の業界団体のトップが署名した。業界団体には、スイスの食品大手ネスレ、米製菓大手モンデリーズ傘下のキャドバリーのほか、KPスナックスやバターキストといったイギリスの製菓会社が参加している。

書簡では、「業界団体とその参加企業には現在、ブレグジットに関係のない方針協議会や活動に参加し、適切に対応するための物理的な資源も、組織的な余裕もない」と訴えている。

「政府は職員を追加雇用したが、我々がそうするわけにはいかない」

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その上で、EU離脱の不透明感が過ぎ去るまでは、現在行われている、あるいは計画されているさまざまな協議会を「一時停止」するよう政府に求めている。

ここで指摘されている協議会では、砂糖含有量の高い食品の広告を制限する方策や、イギリス全土で行うリサイクル回収戦略、リサイクル素材が30%以下のプラスチック製品に対する課税などが話し合われている。

書簡ではまた、ブレグジットの行程に確実性がないことに、食品業界がいらだっていることがあらためて示されている。

「イギリス全土の食品関連業界とその取引相手は現在、合意なしブレグジットの壊滅的な影響を抑えることに完全に集中している」

「そのために多くの時間と資金、人材、そして努力が費やされている」

イギリスでは1月末にも、英国小売協会(BRC)が政府に対し、合意なしブレグジットが食料安全保障を脅かし、食品価格の上昇と供給不足を招く可能性があると警告する書簡を提出したばかり。

この中でスーパー大手セインズベリーズとアスダ、ファストフードの米マクドナルドなどは、生鮮食品は備蓄できないし、イギリスはその多くをEU加盟国に依存していると指摘した。

(英語記事 Food industry warns Gove on Brexit 'crisis'

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