トランプ氏、報道陣への暴力を非難 支持者集会でBBC記者襲われ

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トランプ支持者がBBCのカメラマンを攻撃 演説集会で

ドナルド・トランプ米大統領は12日、メディアへの暴力を非難するコメントを発表した。前日にはトランプ氏の集会でBBCカメラマンが、支持者から暴力を振るわれ、罵倒されていた。

サラ・サンダース米大統領報道官の声明は、特定の事案については言及していない。

トランプ大統領は声明で、「報道関係者を含め、あらゆる個人や団体を標的にした全ての暴力行為を非難する」としている。

また、「イベント参加者には平和的で礼儀正しい振る舞いを求める」と続けた。

BBCカメラマンのロン・スキーンズ氏は11日に米テキサス州エルパソで開かれた集会を撮影中、「Make America great again(アメリカをまた偉大にしよう)」と書かれた帽子をかぶった男に乱暴に押された上、罵倒された。

これを受けてBBCはホワイトハウスに、トランプ氏の集会における報道陣用の警備体制見直しを求める書簡を送った。

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書簡の中でBBCは、問題のあった当時、報道陣エリアには警備がなく、仲裁する警備員もいなかったとしている。

トランプ大統領はこれまで繰り返し、メディアは国民の敵だと攻撃し、批判的な立場をとっている。

トランプ陣営は今回の騒ぎの後、暴力を振るった男を会場から排除してくれたと、警察に感謝していた。

トランプ選対のマイケル・グラスナー最高執行責任者は、「報道カメラマンと身体的接触のあった人物が会場から排除された」と説明し、「我々は会場警備と警察官の迅速な行動に感謝している」とコメントした。

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Image caption 米テキサス州エルパソで11日、支持者集会を開いたドナルド・トランプ大統領

何が起きたのか

トランプ大統領の選対幹部によると、暴力を振るった男は酒に酔った状態だったとみられる。スキーンズ氏は男から「非常に乱暴に押された」と証言している。

スキーンズ氏によると、男が力ずくで連れ出される前、同氏とカメラは殴り倒される寸前だったという。

トランプ大統領はこの暴力行為を目撃しており、スキーンズ氏にけがないか確認するため、親指を立てた。無傷だったスキーンズ氏が親指を立てて答えると、大統領は演説を続けた。

BBCワシントンのプロデューサー、エレノア・モンタギュー氏とギャリー・オドノヒュー記者はスキーンズ氏のカメラの前に座っていた。

モンタギュー氏は、男は他の報道陣にも襲い掛かったが、スキーンズ氏が「矢面に立った」と話した。

BBCの書簡

サンダース報道官に宛てた書簡で、BBC米州総局のポール・ダナハー編集局長は、大統領集会を取材する報道陣のための警備体制の見直しを求めた。

ダナハー氏は、「メディアエリアへの出入りに規制はなく、警察や警備員は誰1人として男の侵入を阻止しなかったし、暴力行為の仲裁もしなかった。我々の同僚たちへの事後の聞き取りもなかった」と指摘した。

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暴力行為の背景

トランプ大統領は11日、メキシコと国境を接するテキサス州エルパソを訪れ、国境の壁に関する集会を開いた。国境の壁建設の予算をめぐっては、米政府機関の閉鎖が史上最長となるなどこう着状態が続いていた。

モンタギュー氏によると、問題行為の直前に大統領は「フェイクニュース」に触れ、メディアがいかに自分について事実を曲げて報道しているか批判していたという。

BBCラジオ4「トゥデイ」の中で、オドノヒュー記者は大統領のメディア批判について「信じられないほど激しい攻撃」だったと振り返った。

昨年8月、国連はトランプ大統領の「戦略的」言葉遣いによる攻撃は「ジャーナリストが暴力のターゲットになるリスクを高める」と警告していた。

米紙ニューヨーク・タイムズの発行人A・G・サルツバーガー氏は、大統領にメディア攻撃をやめるよう強く求めている。

(英語記事 Trump condemns attacks on media

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