米南部で大型竜巻 20人以上死亡

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米南部アラバマ州を大型竜巻が襲った
米南部アラバマ州で3日午後2時ごろ、大型の竜巻が発生し、幼い子供を含む20人以上が死亡した。
アラバマ州東部リー郡の保安官事務所によると、少なくとも23人が死亡し、「壊滅的」な被害が出た。負傷者の人数は不明で、犠牲者の数も増える恐れがあるという。
アラバマ東部医療センターは3日、悪天候による負傷者40人以上を治療中で、被害者はさらに増える見通しだと話した。
捜索作業は夜間にいったん中断された。
特に被害の大きかったボールガード地区では、被害域幅は狭いところでも800メートルに達した。ボールガード地区は州都モンゴメリから東約95キロ。現地の映像では、電柱が折れ、道路にはがれきが散乱し、屋根のなくなった家屋などの様子が見える。
遺族の話によると、ボールガード地区では、8歳の子供も犠牲になったもよう。
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米国立気象局(NWS)は、竜巻の規模は改良藤田スケール(EFスケール)で少なくとも「3」(最大風速約74メートル)にあたると発表した。
ほかにも、ジョージア、フロリダ、サウスカロライナの南部各州に竜巻警報が出された。
米アラバマ州リー郡(Lee County)のボールガード(Bearugard)、スミスステーション(Smiths Station)と州都モンゴメリ(Montgomery)の位置
リー郡スミスステーションの住民は地元テレビ局に、店舗が破壊されるのを見たと話した。大きなバーは建物の屋根が風に飛ばされた。
同郡のジェイ・ジョーンズ保安官は、「民家のあった場所に大量のがれきが積みあがっている。これほどのがれきは見たことがない」と話した。
ジョージア州アトランタから南約130キロのタルボットンの映像でも、全壊した建物や折れた木々が見える。
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特に被害の大きかったボールガード地区
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米南部では3日、複数の竜巻が発生した。写真はジョージア州ワーナーロビンス
ジョージア電力によると、悪天候の影響で当初、2万1000世帯が停電した。
停電世帯をモニターするサイト「PowerOutage.US」によると、日本時間4日午後の時点でアラバマ州では2000世帯以上が停電していた。
竜巻後の南部各州では、零度近くまで気温が下がる予想。
アラバマ州のケイ・アイヴィー知事はツイッターで「さらに天気が厳しくなる可能性がある」と、注意を呼びかけた。
ドナルド・トランプ米大統領もツイッターで、住民に「注意して安全を確保してください」と書いた。
アラバマ州南東部モービルで生まれた米アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は、リー郡は「自分にとって大事な場所」で、人命損失に「衝撃を受けている」とツイート。竜巻被害に遭った全員に「力を癒しを願っています」と見舞った。