モザンビーク直撃のサイクロン「アイダイ」 犠牲者は1千人か

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Image caption People clambered on roofs and up trees in order to save themselves in Beira in Mozambique

アフリカ南部モザンビークのフィリペ・ニュシ大統領は18日、サイクロン「アイダイ」による死者が1000人に上る可能性があると発表した。

ニュシ大統領は18日に被災地を訪れ、氾濫した河川には犠牲者の遺体が浮いていると説明した。

最大風速40メートルのアイダイは14日にモザンビークに上陸し、人口50万人の港湾都市ベイラでは地すべりが発生した。しかし、ベイラに救援隊が到着したのは17日だった。

国連の救援隊員はBBCに、ベイラにある全ての建物が被害を受けたと話した。

国連世界食糧計画(WFP)のジェラルド・ブーケ氏は、「被害のない建物はない。電気も止まっている。通信手段もない。道路は落下した電線でいっぱいだ」と話した。

「多くの家屋で屋根や壁が落ちてしまっている。たくさんの人が家を失った」

モザンビークに加え、隣国ジンバブエとマラウイでも被害が出ている。

イギリス政府はモザンビークとマラウイに600万ポンド(約8億8600万円)相当の人道支援物資を送るほか、モザンビークにはテントやシェルター設備なども供給するとしている。

Image caption モザンビークのベイラと首都マプト、ジンバブエのチマニマニ、マラウイの位置関係

モザンビークでの洪水と暴風による犠牲者は、公式の発表ではこれまでに84人。アフリカ南部全体では少なくとも180人に上る。

国際赤十字赤新月社連盟(IFRC)は、サイクロンの被害は「甚大で恐ろしい規模」だと説明している。

IFRCの調査チームを率いるジェイミー・ルスール氏は、木の上に逃げた人たちの救助が必要だったと話した。

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Image caption この男性はジンバブエ東部ンガングの町で娘を探している

ベイラの被害状況は?

当局によると、これまでに死亡が確認された犠牲者の多くはベイラ周辺の住民。ベイラは人口約50万人のモザンビーク第4の都市。

首都マプトの当局者はBBCの取材で、倒木や屋根の崩落などで1500人以上が負傷したと語った。

ベイラのあるソファラ州のアルベルト・モンドラネ知事は17日、「ほとんど何もかもが災害の影響を受けた。現在進行形で苦しんでいる人たちがいる。今も木の上にいて、急ぎ助けを必要としている人もいる」と話した。

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Image copyright IFRC/Caroline Haga
Image caption IFRCは17日、ベイラを空から調査した

ルスール氏はBBCのニュース番組「ニュースデイ」に主演し、ベイラの地元住民は街の道路を再開しようと「一生懸命に」働いていると語った。

ベイラとモザンビーク全土をつなぐ主要道路は被害を受けたが、空の便はすでに再開している。ニュシ大統領は、モザンビークに囲まれたエスワティニ(旧スワジランド)の被災地も訪問している。

ジンバブエとマラウイも被害に

ジンバブエ政府によると、アイダイによって少なくとも98人が死亡し、東部と南部で合わせて217人が行方不明となっている。

政府関係者によると、同国では災害宣言が発令されたほか、エマーソン・ムナンガグワ大統領は「直接的な対応を取るため」に、訪問中のアラブ首長国連邦(UAE)から早期帰国する。

モザンビーク国境に近いチマニマニ地区の病院では生存者が、洪水が家や家族を飲み込んだ様子を語った。

ジェイン・チツロさんはAFP通信の取材に、「娘ががれきのどこに埋まっているのか分からない。家具も服もなくなって、がれきと石しか残っていない」と話した。

マラウイでもサイクロンの前に降った雨が洪水と土砂崩れの原因となり、国連傘下のリリーフウェブによると、少なくとも122人が亡くなった。

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Image caption チマニマニ地区の病院で手当てを受ける生存者たち

今後の天候は?

BBCウェザーのクリス・フォークス気象予報士は、「モザンビーク北部やマラウイ南部では、今後数日にさらに雨が降る危険性がある」と分析している。

雷雨になる恐れもあるものの、「状況は複雑で、アイダイによる分厚い雲の層が残っており、これが雷雨を防ぐ可能性もある」という。

<分析>見たこともない光景――シンガイ・ニョカ、BBCアフリカ、ジンバブエ東部

チマニマニ地区への旅は、道の中央に現れた巨大なクレーターによって突然終わった。道路の下では川が唸りを上げ、大勢の人が道路の両側に立っていた。

これは、ムタレの街からチマニマニ地区へつながる幹線道路だ。それが切断され、救援隊も行く手を阻まれた。

地元住民は、見たこともない光景だと話している。その場に居合わせたエドソンさんとミリアムさん夫婦は、チマニマニ地区にいる親類と連絡が取れていないと言っていた。

(英語記事 Hundreds feared dead after Cyclone Idai

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