新元号は「令和」と日本政府発表 200年ぶりの天皇譲位

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菅義偉官房長官は1日、新元号「令和」を発表した
日本政府は1日、平成に代わる新元号を「令和(れいわ)」と発表した。新天皇の即位に伴い、5月1日午前0時から切り替わる。天皇の退位に伴う改元は憲政史上初めて。
菅義偉官房長官は1日の記者会見で、大勢が注目するなか、新しい元号を発表した。
その後、安倍晋三首相も会見を開き、「令和」について「人々が美しく心を寄せ合う中で文化が生まれ育つという意味が込められている」と説明した。
首相はさらに、「令和」の典拠は万葉集で、歌の序文から2文字をとったと説明。元号の典拠が中国の漢籍ではなく、初めて日本の「国書」になったと述べ、万葉集は「我が国の豊かな国民文化と長い伝統を象徴する国書だ」と説明した。
典拠となった歌の序文には「初春(しょしゅん)の令月(れいげつ)にして、気淑(きよ)く風和(やわら)ぎ」という表現がある。
「令」には、「おきて」「命令」のほか「「よい」などの意味がある。「和」は「調和」や「平和」などに使われる。
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2017年11月の天皇、皇后両陛下
安倍首相は記者会見で、「我が国は、歴史の大きな転換点を迎えていますが、いかに時代が移ろうとも、日本には決して色あせることのない価値があると思います」と、万葉集を典拠とした理由を説明した。
現在85歳の天皇陛下は、高齢を理由に退位する意向を固め、息子の皇太子徳仁親王に譲位することとなった。
天皇の譲位は約200年ぶりとなる。
元号とは、それぞれの天皇の在位期間を基準とする紀年法のこと。日本では西暦と共に用いられ、貨幣や新聞、運転免許証や公的書類などで目にする。
新元号の名前は、今後数十年にわたる日本の生活の基調となるもので、大半の日本人にとって日常生活で大きい意味をもつ。
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皇太子さまは5月1日に新しい天皇になる
今も広く使われているが、その一方で、日本が国際社会の影響を受け入れるようになると共に、使用頻度は少なくなった。
毎日新聞による今年2月の世論調査では、西暦と元号のどちらを主に使うかという質問に対して、主に元号を使うと答えたのは34%で、主に西暦を使うと答えた人は25%だった。1975年の調査では、主に元号を使うという回答は82%だった。
元号でも西暦でも、月の呼び方や1年の区切りは西暦と同じ。そのため、両方を併用する人が多い。