ウクライナ大統領選、コメディー俳優が第1位 21日に決選投票へ

Volodymyr Zelenskiy casts his vote in Kiev, 31 March Image copyright Reuters
Image caption ヴォロディミル・ゼレンスキー氏

ウクライナで3月30日、大統領選挙が行われ、出口調査ではコメディー俳優のヴォロディミル・ゼレンスキー氏が30.4%で第1位となった。ゼレンスキー氏はテレビ番組で大統領を演じたことがあるが、政治キャリアはない。

2位は現職のペトロ・ポロシェンコ氏で17.8%。大統領選には39人が立候補したが、過半数の支持を得た候補者がいなかったため、ゼレンスキー氏とポロシェンコ氏は4月21日に決選投票を戦う予定だ。

ユリア・ティモシェンコ元首相は14.2%で3位だった。ティモシェンコ氏は大統領選から撤退するもようだ。

ゼレンスキー氏は出口調査の結果発表直後、BBCのジョナ・フィッシャー記者に「とても嬉しいが、これが最終結果ではない」と慎重な姿勢を示した。

一方、ポロシェンコ大統領は2位との結果を「厳しい教訓」だと語った。

ウクライナ内務省は何百件もの不正が報告されたとしているが、国外の監督機関は、投票はおおむね円滑に行われたと述べている。

ウクライナでは大統領が安全保障や国防、外交政策などに大きな権限を持つ。

ゼレンスキー氏とは?

ゼレンスキー氏はウクライナのテレビドラマ「Servant of the People(直訳:国民のしもべ)」で、汚職と戦い、後に大統領になる一般人を演じた。

そして今、このドラマを現実のものにしようとしている。

選挙活動の常識には囚われず、演説を行わず、取材も最小限だった。また、新しく、今までとは違う大統領になるということ以外、特に強い政治観がないように思われる。

一方、ソーシャルメディアを多用することで若年層からの支持を得た。

ウクライナ語もロシア語も話すゼレンスキー氏はこのほか、ロシア語話者の多いウクライナ東部でも支持を獲得した。同国では旧ソビエト連邦からの独立以降、ロシア語の地位が繊細な問題となっている

ウクライナの現状

ウクライナ国内では、東部の分離派とウクライナ軍の紛争がこう着状態に陥っている。一方、外交面では欧州連合(EU)加盟に向けた努力が続けられている。

EUによると、ウクライナの人口4400万人のうち12%に投票権が与えられていない。多くはロシアや、2014年3月にロシアが併合したクリミアに住む住民だという。

こうした中、現職のポロシェンコ大統領は「軍隊、言語、信念」というスローガンを掲げ、保守層に支持を呼びかけている。

ポロシェンコ氏は製菓会社の経営に携わり、国内でも有数の富豪。同氏は軍部との密接な関係によって東部の分離派を監視できるとしている。

在職期間中はEUとの連合協定を締結し、ウクライナ国民がEUにビザ(査証)なしで渡航できるようになった。また昨年には、ウクライナ正教会がロシア正教会から独立している。

一方、2月には軍備調達について不正が明らかになるなど、選挙活動は汚職疑惑で苦戦していた。

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Image caption 現職のペトロ・ポロシェンコ大統領

今回の投票で敗退したティモシェンコ氏は2回首相職を務めたほか、2010年と2014年に大統領選に立候補した。2004年のオレンジ革命では民主派のユシチェンコ元大統領誕生に寄与し、EU加盟への第一歩に貢献した。

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Image caption ユリア・ティモシェンコ氏

(英語記事 Ukraine comic 'wins' presidential poll first round

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