英中銀総裁、合意なしブレグジットのリスクに危機感

Mark Carney Image copyright Reuters

英中銀イングランド銀行のマーク・カーニー総裁は3日、「無秩序な」合意なしブレグジット(イギリスの欧州連合離脱)の可能性が「危機感を覚えるほど高まっている」と警告した。

英スカイニュースの取材でカーニー総裁は、欧州連合(EU)との合意のないまま離脱する事態への準備は「具体的に進んでいる」ものの、それでも「懸念点はたくさんある」あると話した。

また、合意なし離脱が簡単に制御できるという考えは「全く馬鹿げている」と一蹴した。

BBCのダルシニ・デイヴィッド経済担当編集委員は、中銀総裁のこの発言を政治介入と呼ぶ批判もまた浮上するだろうと指摘している。

カーニー総裁は昨年8月にも、合意なし離脱のリスクは「不安なほど高く感じる」と述べていた。今回の発言では、その危険性をさらに強調した格好だ。

総裁は、昨年8月に発言して以降、ブレグジットの状況に改善はなく、「残念ながら(合意なし離脱の可能性について)正確に証明された。危機感を覚えるほど高まっている」とカーニー総裁は指摘した。

イギリスはこのまま状況が変わらなければ、4月12日にEUを離脱する。

テリーザ・メイ首相は最大野党・労働党のジェレミー・コービン党首と協議し、こう着状態を脱却したい考えだが、野党に協力を仰いだことで与党・保守党内から批判が出ている。

「馬鹿げている」

カーニー総裁はスカイニュースに対し、「議会は(EUとの)何らかの合意にもとづく離脱を求めると意思表示した。言わば二重否定の状態だ。議会は合意なしに反対している。政府も、首相が表明したように、合意なしに反対している。欧州連合も合意なし離脱に反対している。なのに、まだその可能性がある。合意なしがデフォルトの選択肢だ」と説明した。

「そのため、合意なし離脱は偶発的に、いきなり、移行期間のないまま起こるだろう。偶然に起こる無秩序なブレグジットだ」

総裁はさらに、一部のEU離脱派議員が展開している、「関税及び貿易に関する一般協定(GATT)」24条によれば、交渉中もEUとの自由貿易を継続できるという主張も批判した。

「作り話は忘れるように。全く馬鹿げている。まったくのでたらめだと、指摘する必要がある」

「リアム・フォックス国際貿易相が議会で説明したように、この規則は双方が合意しなければ適用されない。しかも双方が、よりによって(離脱派が反対する)関税同盟に向かっていないと、適用されない。(GATTの適用を主張する離脱派は)フォックス国際貿易相ともっと仲良くした方がいい」

一方でカーニー総裁は、ロンドンの金融街は合意なしブレグジットの影響に耐える準備ができていると話した。

「合意なし離脱については懸念すべき点が多いが、金融セクターについては心配無用だ」

(英語記事 Carney: No deal risk 'alarmingly high'

この話題についてさらに読む