中国系俳優、日本軍の侵攻を「擁護」する投稿を謝罪

トム・ガーケン記者(BBC・UGC/ソーシャル・ニュース)、ケリー・アレン記者(BBCモニタリング)

中国系スウェーデン人俳優の趙立新さん Image copyright Getty Images
Image caption 中国系スウェーデン人俳優の趙立新さん

中国系スウェーデン人俳優の趙立新さん(50)が、日中戦争時代の日本軍の中国侵攻を擁護するような投稿について、「不適切な表現」だったと謝罪した。

趙さんは2日、中国のソーシャルメディア「微博(ウェイボー)」で、1937年から1945年まで続いた日中戦争時代の日本軍について書き込んだ。

「日本人は北京を8年間侵略したのに、なぜ北京の故宮博物院の文化財を奪ったり、焼き払ったりしなかったのか? これは侵略者らしいと言えるだろうか?」

これに対しインターネット上では、「自分のルーツを忘れている」などといった批判が殺到した。当該の投稿はすでに削除されているが、スクリーンショットが拡散されている。

日中戦争では、日本軍は北京や、その他の中国の主要な港や都市を占領していった。

中国河南省生まれの趙さんはスウェーデンで育った後、中国に戻り、俳優として成功を収めた。初めて出演した作品は、1994年公開のスウェーデン映画「Vägen ut」(英語題:Breaking Out)だった。

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趙さんが国外で活動していた時期が、中国での批判の対象になっているようだ。

ある人は「あなたは自分のルーツが中国人だということを忘れている」、「中国で生まれたことも、自分の両親が中国人だということも忘れてしまっている」と投稿した。

別の人は、「中国人じゃないあなたに、中国の代弁なんてできない」、「日本の中国侵攻がどれほどの被害をもたらしたのか、何も理解していない。この国の歴史をよく知っているかのように振舞うな」と述べた。

一方で、趙さんを擁護する人もいる。歴史上の出来事について議論することは普通だという意見や、「彼が言っている意味は理解できる」と主張する人もいる。

Image copyright Sina Weibo
Image caption 趙さんは投稿についてソーシャルメディア上で謝罪した

趙さんのオンライン上のフォロワーは700万人だ。相次ぐ批判を受け、「不適切な表現の投稿」について「心から謝罪します」と投稿した。

「深く、深く、謝ります。私は侵略者を擁護したことはないし、今後も決して擁護しません。私は侵略者を強く非難します」と書き、「どの国の国民も、自分の国の歴史を思いやり、尊敬しながら、国の歴史についてある程度の知識を持つべきだ」と、中国政府機関のリンクと引用文を投稿した。

この謝罪にも関わらず、ソーシャルメディアでは「中国から出て行け」「スウェーデンに戻れ」などと、趙さんを攻撃する声があふれている。

今回の騒動は、この1年間に起きた中国とスウェーデンの緊張関係を連想させた。

2018年1月、中国指導部の個人的な生活に関する本を複数出版しているスウェーデン国籍の作家が、北京行きの電車に乗っていた際に当局者らによって連れ去られた。スウェーデン政府は今年2月、拘束されている作家の娘と無断で会合を持ったとして、駐中国大使を召還した。この会合の出席者は、解放活動を行なっている娘をけん制したという。

2018年9月には、スウェーデンの風刺テレビ番組が、中国人は犬を食べたり、公共の場で排泄したりするといった冗談を放送し、中国側を激怒させた。

(英語記事 Chinese actor sorry for Japan comments

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