トリポリの空港空爆、国連が武装組織を非難 リビア内戦

A crater is seen near the blast site after the air strike Image copyright Reuters
Image caption 空爆によってミディカ国際空港にできたクレーター

リビアで8日、国内で唯一機能する首都トリポリのミティガ国際空港が爆撃された問題を受け、国連はハリファ・ハフタル司令官が率いる武装組織、リビア国民軍(LNA)を非難した。

ミティガ空港は現在、閉鎖されており、利用者も避難した。犠牲者は出ていないという。

国連によると、トリポリ近辺で発生した戦闘を受け、これまでに少なくとも2800人が避難した。残った住民も生活に必要なサービスが受けられないリスクがあると、警告している。

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Image caption ハリファ・ハフタル司令官

2011年に長年リビアを支配したモアンマル・カダフィ大佐が失脚し、殺害されて以降、リビアでは暴力や政治不安、政権争いなどの混乱が続いている。

首都トリポリには現在、国連が支援するシラージュ暫定政権があるものの、LNAは東部トブルクにある別の政府を支持しており、4日からトリポリ制圧に向けて進攻を開始している。

両政府は4月14~16日に国連主導で会談を開き、新たな選挙へのロードマップを話し合う予定だった。しかし、この会談が予定通り行われるかは定かではない。

ファイズ・シラージュ暫定首相は、戦闘を避けるためにハフタル司令官に「譲歩」を申し出ていたが、「裏切られた」と話した。

Image caption トリポリ北部の勢力図。赤い地域は国連が支援する暫定政権が、緑の地域はトブルクの政府を支援するLNAがそれぞれ支配している。黄色い地域ではイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が目撃されている

国連のガッサン・サラメ・リビア特使は、ミディカ空港の空爆は民間インフラ攻撃を禁じた人道法に違反していると説明し、この空爆が「地上での攻撃が増していること」を示していると話した。

一方でロイター通信は、LNAのアフメド・ミスマリ報道官が標的にしたのは「ミティガ空港に停泊していたロシアのMiG製の戦闘機だけだ」と話したと報じた。

BBCのラナ・ジャワド北アフリカ特派員によると、ミディカ空港は内務省傘下の強力なリビア国軍の基地としても使われている。

リビアの保健省は、これまでに市民や政府側の戦闘員を含む25人が死亡し、80人が負傷したと発表した。LNA側は、少なくとも19人の戦闘員が亡くなったとしている。

国連は7日、負傷者や民間人の避難のために2時間の停戦を提案したが、戦闘は継続した。

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Image caption トリポリの市民は食料や燃料の備蓄を始めているという

状況が悪化する中、ここ数日でアメリカを含む各国が駐在員や駐留軍などを退去させ始めている。国連も一部の職員を撤退させた。

報道によると、トリポリの市民は食料や燃料の備蓄を始めている。

BBCのセバスチャン・アッシャー・アラブ問題編集長によると、トリポリの住民は、2017年にハフタル司令官がイスラム過激派から東部ベンガジを奪還した時のように戦闘が長期化するのではないかと懸念している。

(英語記事 UN condemns strike on Tripoli airport

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