トランプ氏、「身内」から対立候補が浮上 来年の米大統領選

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ビル・ウェルド氏(73)は2016年の大統領選では、小政党リバタリアン党から副大統領候補として出馬していた
アメリカ・マサチューセッツ州のビル・ウェルド元知事(73)が15日、2020年の大統領選の共和党候補に立候補すると発表した。共和党内でトランプ大統領に挑戦すると表明したのはウェルド氏が初めて。
ウェルド氏は動画を公開し、トランプ氏と対照的なイメージを打ち出した。しかし今後、トランプ氏一色となっている共和党で厳しい戦いに直面することになる。
ウェルド氏はロナルド・レーガン大統領時代に司法次官補を務めた後、1991~1997年にマサチューセッツ州で知事を務めた。
2016年の大統領選では、小政党リバタリアン党から副大統領候補として出馬していた。
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CNNのインタビューでウェルド氏は、「過去2年にホワイトハウスで起きたのと同じことがもう6年続くのは政治的な悲劇だと思う」と述べた。
「ここで立候補しなかったら自分が恥ずかしいと思った」
ウェルド氏のキャンペーン動画では、民主党が強いマサチューセッツ州で共和党の看板を出して選挙を闘い、知事となった実績が全面に押し出されている。
また、ウェルド氏の経歴と共にトランプ氏の物議を醸した数々の発言がまとめられ、「"A Better America Starts Here(より良いアメリカはここから始まる)」というスローガンで締めくくられている。
共和党員の9割はトランプ氏を支持
しかし、共和党幹部はウェルド氏の選挙活動を直ちに否定している。共和党全国委員会(RNC)は声明で、「(トランプ)大統領の立候補に対抗しても意味がない」と一蹴した。
調査会社ギャラップの最新の世論調査によると、共和党員の89%がトランプ大統領を支持しているという。
トランプ氏の選挙事務所は14日、2019年第1四半期(1~3月)で3000万ドル(約33億5700万円)以上の寄付金を得たと発表した。これは、民主党の予備選候補の誰よりも多い金額だ。
他の州知事らも対抗馬として浮上
一方、2016年の大統領選の予備選でトランプ氏に敗れたフロリダ州のジェブ・ブッシュ元知事は、2020年にトランプ氏を追放しようと訴えている。
また、オハイオ州のジョン・カシチ元知事やメリーランド州のラリー・ホーガン知事も、トランプ氏の対抗馬になる可能性があると報じられている。
共和党と民主党は来年11月の大統領選に向け、年明けにも予備選で大統領選候補を選出する。
現職の大統領は通常、党内で他の候補と争うことはなく、党から2期目の立候補を拒否されたケースはまれだ。