スウェーデンの10代少女、英温暖化抗議は「変化をもたらす」 抗議活動続く

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「人類は分かれ道に立っている」 グレタ・トゥーンベリさん、気候変動の危機訴え

10代のスウェーデン人活動家の少女が21日、ロンドン中心部で続く気候変動の危機を訴える抗議運動は「変化をもたらしている」と述べた。この日に7日目を迎えた抗議運動では、活動家たちが道路を占拠して交通がまひするなど、公共の場で秩序を乱したなどとして逮捕者が出ている。

演説を行なったのはスウェーデン人の環境保護活動家のグレタ・トゥーンベリさん(16)。昨年12月にポーランドで開かれた国連気候変動枠組み条約第24回締約国会議(COP24)や、今年1月の世界経済フォーラム年次総会(WEF、ダボス会議)で演説を行なうなど精力的に活動している。

21日にマーブルアーチで行なわれた集会には何千もの人が集った。トゥーンベリさんがステージに登壇すると、群集からは「あなたが大好き」とのコールが上がった。

気候変動を食い止めるための国際的な活動を啓発してきたことで高く評価されているトゥーンベリさんは、群集に対し「人類は分かれ道に立っています」と訴え、活動家は「地球のために戦い続けます」と述べた。

「政治家や権力者は長い間、気候や生物学的な危機に立ち向かうようなことを何ひとつせず逃げてきました。しかし私たちが、これ以上彼らが逃げ続けないようにしていくのです」

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Image caption ステージに登壇したグレタ・トゥーンバリさんは熱烈な歓迎を受けた

15日から始まった「絶滅への反逆(Extinction Rebellion)」と名付けられた抗議運動は、21日に7日目を迎えた。

抗議運動の中心組織は、議員が国会に入るのを阻止するなどの「1週間におよぶ活動」を計画していると述べている。

21日19時の時点で、逮捕者は963人に上った。

ロンドン警視庁によると、19歳から77歳の40人が「高速道路の妨害や、警察への妨害行為による1986年の第14条公共秩序法違反を含む様々な罪」で訴追された。

「絶滅への反逆」は、ウェストミンスターのオールドパレスヤードでの抗議運動の継続と、他の場所からの撤収について、ロンドンのサディク・カーン市長およびロンドン警視庁との交渉を望んでいる。

22日午後には、今週の抗議運動の方針について決定するため、マーブルアーチで「民衆議会」を開催する予定だという。

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Image caption 管轄の異なる数百もの警察官がロンドン警視庁の応援のために動員されている

「絶滅への反逆」のメンバーのファーハナ・ヤミン氏によると、抗議グループは「政治的目的」を達成するために抗議の「一時停止」と「反逆の新たな段階」を開始することを申し出たという。

ヤミン氏は、この動きはグループが「侮れない組織化された長期的な政治勢力」であることを示すだろうと述べた。

ところが「絶滅への反逆」の別のメンバー、ラーチ・マクシー氏はBBCに対し、「我々の抗議運動において一時停止は絶対にありえない」と述べた。

「我々は23日、最大級の経済的混乱を引き起こすためにロンドン市内の戦略上の要衝を押さえると同時に、議員が議会に入れないようにする」

もし議員が国会に入ることができたらどうするかと問われると、マクシー氏は「たとえ成功しなくても、我々が妨害することで議員は政治活動から切り離され、何が最大の問題なのかに専念する時間ができる」と付け加えた。

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Image caption ウォータールー・ブリッジに居座っていた活動家が持ち込んだ木材を撤去する警察

警察は抗議運動をマーブルアーチ周辺に限定しようとしたものの、活動家は逮捕するとの勧告を無視して中心部で道路の封鎖を続けた。

繁華街のオックスフォード・サーカスや国会議事堂前のパーラメント・スクエア周辺からは活動家が排除され、通行止めは解除された。

21日午後には、ウォータールー・ブリッジに居座っていた活動家が持ち込んだ料理用テントなどが警察によって撤去された。

一部の活動家は持ち込んだ木々や植物を自ら運び出し、同日22時頃には警察が最後の1人を排除した。

抗議運動に対処するため、ロンドン市警のほか、ケントやサセックス、エセックス、ハンプシャーやグレート・マンチェスターなどの警察官が応援に入っている。

ロンドンのカーン市長は「9000人以上の警察官」がこの抗議運動に対処しており、暴力的な犯罪などへの取り組みへの影響を「非常に懸念している」と述べた。

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Image caption 抗議運動6日目の21日、警察はオックスフォード周辺から活動家を排除した

「絶滅への反逆」とは?

この運動は昨年始まった。メンバーたちは橋を閉鎖し、首相官邸の外で偽の血液をバケツでまき、BBCに人が入れないようにし、国会議事堂で半裸になるなどしている。

主な要求は3つ。政府が「気候変動について真実を語る」こと、二酸化炭素(CO2)の排出を2025年までにゼロにすること、進捗(しんちょく)を監督するための市民会議を創設することだ。

大いに議論が分かれるところだが、このグループは、できるだけ多くの逮捕者を出そうとしている。

だが、不必要な障害をもたらし、ただでさえ不足している警察力を無駄に使わせているとの批判が出ている。

<解説>現場で――ダン・コールズ、BBCニュース

マーブルアーチの集会に集った人数は、一日を通じてほぼ数百人程度だった。

ところが、気候の抗議運動の世界では一種の有名人であるトゥーンベリさんから話を聞くチャンスとあって、その数は数千人にまで膨れ上がった。パーラメント・スクエアからも人が流れ込み、スローガンを掲げた。

トゥーンベリさんの2日間におよぶロンドンへの鉄道の旅は、ソーシャルメディア上で熱烈にフォローされていた。ステージに到着した際には大きな歓声が上がった。

演説は短く、愛らしいものだった。しかしそのメッセージはまさに群集が聞きたかったもの、そのものだった。

「続けましょう。事態を進めているのはあなたたちです」

(英語記事 Climate protesters 'making a difference'

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