不妊治療で中高年女性が「カモにされている」 英当局が警告

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不妊治療クリニックの一部は、中高年女性の「いちるの望みにつけ込んでいる」――。イギリス国内で不妊治療を監督している団体が、そんな警告を発している。

イギリスにおける不妊治療の監督官庁である「ヒト受精・胚機構(HFEA)」のサリー・チェシャー議長が、民間クリニックの一部は「都合よく選んだ成功率」データを利用し、中高年女性を商売のターゲットにしていると、英紙デイリー・テレグラフ(21日付電子版)で指摘した。

さらに、クリニックの中には、「露骨な」営業戦略を使って「影響を受けやすい」女性たちに不妊治療を迫っているところもあると述べた。

現在50歳のチェシャー氏はまた、マンチェスターで開かれた不妊治療のイベントを訪れた際に、同氏の役職に気づかなかったスタッフから、体外受精を勧められたことがあったとも述べた。

「最近は『赤ちゃん保証、ダメなら返金』式の売り込みが目に付くようになった」

チェシャー氏はさらに、クリニックによっては「胚接着剤」「子宮内膜スクラッチ」などのオプションをつけることで、通常の治療費の4倍に当たる2万ポンド(約290万円)を請求していたと説明。HFEAに治療費を規制する権限をもたせるよう求めている。

HFEAは、これらのオプションは妊娠の確率を高めるという決定的な証拠がないまま、提供されているとしている。

「クリニックは公明正大であるべき」

体外受精は、女性が年齢を重ねるほど成功しにくい。

イギリスで2017年に不妊治療を受けた40代の女性は1万835人だった。これは、2004年と比べて2倍に増えている。

テレグラフ紙が報じた新たな統計では、自分の卵子を使って体外受精を試みた2265人で出産に至ったのは、42~43歳では75人だけだった。

44歳以上になると、体外受精の成功率は1%しかなかった。

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チェシャー氏は同紙の取材で、クリニックが体外受精の成功について、女性たちに「公明正大」であるよう要求。

「クリニックは女性たちの淡い期待につけ込むようなことをすべきではない」と話している。

イギリスの国民医療保険制度、国民保健サービス(NHS)のガイドラインでは、40歳未満の女性は体外受精を3回、40~42歳の女性は1回、無料でできるよう推奨している。しかし実際は地域によって、体外受精を無料でできる基準は異なっている。

通例、42歳を超えた女性は成功率が低いことから、体外受精は推奨されていない。

(英語記事 Older women 'exploited' by IVF clinics

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