トランプ米大統領、6月に訪英へ 初の国賓待遇

US President Donald Trump inspects the guard of honour formed of the Coldstream Guards during a welcome ceremony at Windsor Castle in Windsor, west of London Image copyright AFP

イギリス王室バッキンガム宮殿は23日、アメリカのドナルド・トランプ大統領が6月3日から3日間の予定でイギリスを公式訪問すると発表した。初の国賓待遇で、ファースト・レディーのメラニア夫人と共にエリザベス女王に招かれる。

トランプ大統領はこの公式訪問で、イングランド南部ポーツマスで開催されるノルマンディー上陸作戦75周年の記念式典に参加するほか、首相官邸でテリーザ・メイ首相と首脳会談を開く予定。

ホワイトハウスは、今回の訪英で「アメリカとイギリスの確固とした特別な関係」がより強まったと述べている。

イギリス王室はツイッターで、前回訪英時の写真と共に、「ドナルド・J・トランプ米大統領とメラニア夫人が女王陛下からの招待に応じ、イギリスを訪問する」と発表した。

トランプ氏は2018年7月に大統領就任後初めてイギリスを訪れ、ウィンザー城で女王と対面している。

メイ首相は6月の公式訪問について、「すでに緊密な英米関係を、貿易や投資、安全保障、防衛といった領域で強化し、こうした関係を将来どのように築くかを協議する機会になる」と説明した。

一方、最大野党・労働党のエミリー・ソーンベリー影の外相は、「トランプ氏がレイプを戦争兵器と認める国連決議を拒否すると脅したその日に、メイ首相はトランプ氏を国賓としてイギリスに招く計画をどんどん進めている」と批判した。

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6月5日にポーツマスで開かれるノルマンディー上陸作戦75周年の記念式典にはトランプ大統領のほか、カナダ、フランス、ドイツ、オーストラリア、ニュージーランド、ベルギー、ルクセンブルク、ポーランド、ノルウェー、デンマーク、オランダ、ギリシャ、スロヴァキア、チェコの代表が参加する。

ノルマンディー上陸作戦は1944年6月6日、第2次世界大戦中に連合軍が行なったナチス・ドイツ占領下のフランスへの侵攻作戦で、アドルフ・ヒトラーの欧州占領を終わらせるきっかけとなった。ポーツマスは、ドーヴァー海峡を渡ってフランスに上陸した連合軍の主要な停泊港の1つだった。

記念式典にはイギリス海軍の戦艦11隻や王立空軍の戦闘機26機が出動し、ライブ・パフォーマンスなども行われる。

トランプ夫妻は5日のポーツマスでの式典後、フランスで6月6日当日のノルマンディー上陸作戦記念式典に参加する。

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Image caption 2018年の訪英でブレナム宮を訪れたトランプ大統領とメラニア夫人は、メイ首相に迎えられた

2018年7月の訪英でトランプ大統領は、ロンドン北西にある首相公式別荘「チェッカーズ」でメイ首相と会談した後、スコットランドに所有するゴルフコースを訪れた。この訪英では、トランプ氏に対するさまざまな抗議活動が行われた。

ロンドンではトランプ氏とその政策に反対する市民数千人がデモを行ったほか、歓迎式典の行われたブレナム宮殿、スコットランド各地でも抗議活動がみられた。

全国警察署長委員会(NPCC)は、2018年のトランプ氏訪英にかかった費用は1800万ポンド(約26億円)だったと試算している。

また、式典などに配備した警官は1万人に上ったという。

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トランプ氏訪英にロンドンで抗議 空から見る

2018年の訪英で抗議活動を主導した「ストップ・トランプ・コアリション(トランプとの連携をやめろ)」と 「スタンド・アップ・トゥ・トランプ(勝つために立ち上がろう)」は、今回の訪英でも再び「大人数」を動員するつもりだと語った。

ストップ・トランプ・コアリションのシャイスタ・アジズさんは、トランプ氏の「憎悪と偏見の政策」を批判している。スタンド・アップ・トゥ・トランプのサビー・ダルさんも、「街に出て、ドナルド・トランプを歓迎しないとはっきりと言うべきだ」と呼びかけた。

一方、共和党海外部のサラ・エリオット・イギリス支部長は、トランプ大統領は人種差別を支持していないと説明。BBCの取材に対し、大統領選ではバラク・オバマ前大統領を2期とも支持した地域で勝っていると述べた。

「トランプ氏は国民と話し、国民が聞きたいことを語った」と、エリオット氏は強調した。

イギリスでは、国賓として招かれた人は議会で演説するのが慣例。下院のジョン・バーコウ議長は、トランプ氏が議会演説の機会を要請すれば、「通常の方法で考慮する」と話した。しかし、実際に要請を受けたかは明らかにしなかった。

議長は、トランプ氏による議会演説の可否を決定できる立場にある。バーコウ氏は2017年に、トランプ氏の下院での演説には「断固として反対する」つもりだと発言している。

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「トランプ赤ちゃん」ロンドンにふわり 訪英に抗議

BBCのジョニー・ダイモンド王室担当編集委員によると、トランプ大統領は前回の訪英でロンドンを訪れず、抗議に直面するならロンドンには行きたくないと明確に意思表示していた。

しかし、今回の公式訪問の目玉はバッキンガム宮殿前の一本道「ザ・マル」を通る行列で、ここに抗議活動が集中するものと予想される。

バッキンガム宮殿では、エリザベス女王が約150人の招待客と共に、トランプ氏の歓迎晩餐会を開く予定だ。

女王がアメリカの大統領を国賓として迎えたのは、2003年11月のジョージ・W・ブッシュ氏と、2011年5月のバラク・オバマ氏の2回。


イギリスへの公式訪問

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Image caption エリザベス女王は2011年、バラク・オバマ前大統領を国賓として迎えた

国家元首によるイギリスへの公式訪問は通常、政府の助言の下、エリザベス女王が招待するという形式が取られる。

国賓を迎える一大イベントだが、儀礼的な側面だけではない。そこには政治的な目的があり、政府が国益のために行っている。

日取りと場所が決まった後は、イギリス政府と王室、そして訪問する国の政府が具体的なスケジュールを決定していく。

女王は訪問の間の主人役を務め、国賓はバッキンガム宮殿かウィンザー城の滞在するのが通例だ。

公式訪問では通常、女王主催の晩餐会のほか、イギリス議会の訪問と演説が含まれる。しかし、下院議長はウェストミンスター宮殿の「鍵」を持つ3人のうちの1人として、誰が議会演説を行うかを決める権限がある。

エリザベス女王は通常、年に1度か2度、国賓を招く。女王は1952年の即位以来、109回の公式訪問で主人役を務めている。

(英語記事 Donald Trump set for state visit in June )

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