北朝鮮、米に2億円超を請求か 解放後に死亡の米学生の医療費で

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Image caption 米学生のオットー・ワームビア氏はホテルの政治宣伝ポスターを盗もうとした罪で15年の労働教化刑を言い渡された

北朝鮮で拘束された米学生が、昏睡(こんすい)状態で解放された後に死亡した問題で、北朝鮮が学生の医療費として米国に200万ドル(約2億2000万円)を請求していたと、米メディアが25日に報じた。

米学生のオットー・ワームビア氏は2015年末から観光ツアーで北朝鮮を訪問中、ホテルの政治宣伝ポスターを盗もうとした罪で15年の労働教化刑を言い渡された。1年5カ月拘束された後、昏睡(こんすい)状態で2017年6月に米国に帰国したものの、6日後に死亡した。ワームビア氏は脳に深刻な損傷を受けていた。

米紙ワシントン・ポストによると、北朝鮮はワームビア氏の解放に先立ち、米国に医療費を要求したという。

米ホワイトハウスはこの報道についてコメントを拒否した。

25日に米CBSに宛てたサラ・サンダース米大統領報道官の声明は、「我々は人質の解放交渉についてコメントはしない」としている。

2017年6月、北朝鮮担当特別代表を務めていたジョセフ・ユン氏と、救急救命医師のマイケル・フルッキガー氏がワームビア氏の解放交渉のため平壌に入った。その際、ユン氏がトランプ大統領の指示で医療費の支払いの誓約書に署名したという。

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報道によると、その後、米財務省に請求書が送られてきたという。

米国務省の元高官は米CBSニュースに対し、米国はこの医療費を支払っておらず、支払うつもりもなかったと述べた。

この元高官は、北朝鮮との協議を開始することに力を注いでいた、当時のレックス・ティラーソン国務長官のもとで、請求の受理がなされたと強調した。

ティラーソン氏のワームビア氏が重篤な状態にあるという認識や、政治的な経験不足が、請求を受理するという判断の一因になった可能性があるという。

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Image caption ワームビア氏は2017年6月、昏睡(こんすい)状態で米国に帰国した

北朝鮮は、ワームビア氏がボツリヌス菌に感染し、睡眠薬を服用したため意識不明になったと説明している。

しかしワームビア氏を診察した米国の医師は、ボツリヌス菌の痕跡はなく、心肺停止による「重度の神経障害」の可能性があると反論している。

ワームビア氏の両親は、当時22歳だった息子は拷問されて死亡したと主張しているが、北朝鮮はこれを否定している。

(英語記事 North Korea 'demanded $2m for US student'

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