米司法副長官、辞意を大統領に伝達 ムラー捜査指揮

US Deputy Attorney General Rod Rosenstein Image copyright AFP
Image caption 辞意表明したロッド・ローゼンスタイン米司法副長官

2016年米大統領選へのロシア介入疑惑などについて捜査を指揮したロッド・ローゼンスタイン米司法副長官が29日、ドナルド・トランプ米大統領に辞意を伝えた。副長官は、5月11日付で辞任する。

ロシア疑惑捜査にロバート・ムラー特別検察官を任命したローゼンスタイン副長官は辞表の中で、トランプ大統領の「丁重さとユーモア」を称えた。ムラー検察官の捜査をめぐっては、トランプ氏と対立を重ねたと言われている。トランプ氏は昨年11月、ローゼンスタイン氏の反逆罪を問うような画像をリツイートしていた。

ジョージ・W・ブッシュ元大統領の政権中に就任したローゼンスタイン氏は、ウィリアム・バー司法長官の就任を受けて今年3月に辞任するものとみられていたが、ムラー特別検察官の捜査報告書を公表するため、職に留まっていた。

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ムラー捜査報告書は、2016年米大統領選でトランプ陣営がロシア当局と共謀したと示す証拠はないと結論した。その一方で、大統領による司法妨害については、無罪と断定することを避け、対応を連邦議会にゆだねた。

ローゼンスタイン氏辞表

辞表でローゼンスタイン氏は、司法省の功績と、「職務に尽くす」職員を称えた。

トランプ大統領に対しては、「奉仕する機会を与えてくださったことに感謝します。私たちの個人的な会話であなたがしばしば見せた丁重さやユーモアに感謝します。就任演説で、愛国と団結と安全、教育、繁栄を目標に掲げてくださったことにも感謝します」と書いた。

「司法省は法の支配に沿って働きながら、こうした目標を追求します。法の支配はアメリカの基礎です。法の支配を通じて私たちは自由を確保し、市民は栄え、我が国は全ての人にとって自由と正義の手本となり得るのです」と、ローゼンスタイン氏は書き、さらに「真実を決めるのは世論調査ではありません」と強調した。

「私たち司法省は目先の雑音を無視し、大事なことに意識を集中します。なぜなら、長続きする共和国は、報道の周期によって統治されるものではないからです」と副長官は続け、さらにトランプ氏の選挙スローガンに似た表現を使い、「我々は託された信任に忠実に、規則に従い、常にアメリカを第一にします」と結んだ。

ホワイトハウスによると、トランプ氏はすでに後任に、ジェフリー・ローゼン副運輸長官を指名している。

司法副長官と大統領はなぜ対立

トランプ氏が2017年5月に連邦捜査局(FBI)のジェイムズ・コーミー長官(当時)を電撃解任した後、ローゼンスタイン副長官はムラー前FBI長官(当時)をロシア疑惑捜査の特別検察官に任命し、周囲を驚かせた。

ジェフ・セッションズ司法長官(当時)はすでに、トランプ陣営幹部として当時のロシア大使との接触が問題視されていた経緯から、ロシア疑惑捜査の担当から身を引いていたため、副長官が対応する必要があった。

ローゼンスタイン氏は約2年間にわたるムラー特別検察官の捜査を管轄し、捜査を「魔女狩り」と呼び続けるトランプ大統領が捜査を打ち切りにしないよう対応した。

米紙ニューヨーク・タイムズは昨年9月、コーミーFBI長官の解任後にローゼンスタイン氏が、憲法修正第25条を使って大統領を解任する可能性を司法省やFBI関係者と検討していたと伝えた。この報道を受けて、トランプ氏がローゼンスタイン氏を解任するのは時間の問題だとしばらく取りざたされた。

さらに同紙によると、ローゼンスタイン氏はホワイトハウスの混乱状態を暴露するためトランプ氏との会話をひそかに録音してはどうかと発言したとされた。

ローゼンスタイン氏は、こうした報道内容を否定していた。司法省報道官はBBCに対して、会話を録音してはどうかという副長官発言は冗談のつもりだったと述べた。

憲法修正第25条は、副大統領と閣僚の過半数が議会に申し立てれば、「職務の権限と義務を遂行できない」大統領を解任させられると定めている。

トランプ氏は報道を受けてツイッターで、ローゼンスタイン氏が「違法で反逆的」行動をとったと攻撃した。さらに昨年11月には、ローゼンスタイン氏が反逆罪で投獄された様子を描いた画像をリツイートした。

Image copyright Trump/ Twitter

(英語記事 Rod Rosenstein: US deputy attorney general quits

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