トランプ大統領、金融機関を提訴 下院への情報提供を阻止か

US President Donald Trump along with his children Eric(L) Ivanka and Donald Jr Image copyright Getty Images
Image caption トランプ大統領の3人の子どもも訴訟に参加した

アメリカの野党・民主党が多数を占める連邦下院が、ドナルド・トランプ大統領の資産情報の提供を求める召喚状を金融機関に送ったことを受け、トランプ大統領は29日、ドイツ銀行と米キャピタル・ワン・ファイナンシャルを提訴した。金融機関による情報提供を阻止したい構え。

訴状ではトランプ氏の3人の子どもと、一族の事業を束ねるトランプ・オーガナイゼーションも原告に加わり、議会がトランプ氏の事業状況を調査する法的根拠はないと主張している。

一方で民主幹部は、召喚状はこうした妨害に関わらず施行されるとしている。下院は現在、民主党が過半数を握っている。

ドイツ銀行の広報担当は米紙ニューヨーク・タイムズに対し、「引き続き、あらゆる正式な調査に適切な情報を提供していく」と述べた。

キャピタル・ワンはまだコメントしていない。

訴訟の内容は?

訴状はマンハッタンの連邦地裁に提出された。トランプ一族の資産状況などを調べている下院情報委員会と金融サービス委員会が送った召喚状に、金融機関が応じるのを阻止するのが目的だ。

ドイツ銀とキャピタル・ワンは共に、トランプ大統領の不動産プロジェクトに携わっている。

訴状では、召喚状は「法的根拠や目的がない」としている。

「(召喚状は)トランプ大統領に嫌がらせをし、トランプ氏の個人資産や事業、本人や家族の個人情報などをあらゆる側面から探るために発行された」

「政治目的以外の理由があるとは考えられない」

訴状ではさらに、民主党が「公にし、大統領に対抗する政治的な道具として使うものを発見したいと」考えていると批判した。

委員会はなぜ召喚状を送った?

下院の情報委員会と金融サービス委員会は4月初め、トランプ・オーガナイゼーションにとって主要取引銀行のドイツ銀を含む複数の金融機関に召喚状を送付した。

委員会は、トランプ氏や家族と金融機関とのかかわりを示す書類や証拠を探していると報じられている。

情報委員会のアダム・シフ委員長(民主党)は、召喚状は「アメリカの政治プロセスが外国の影響を受けている可能性があるという疑惑」への議会調査の一環だと説明した。

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Image caption ロバート・ムラー特別検察官は、ドイツ銀行にトランプ氏の口座記録提出を命令したと報じられている

シフ委員長と金融サービス委員会のマキシン・ウォーターズ委員長は共同声明で、訴訟には「意味がない」と指摘した。

「この訴訟は、トランプ大統領がいかに憲法に依拠する下院の監視権限を妨害しようとしているかの表れだ。しかし、(トランプ氏は)悟ることになるが、連邦議会は憲法上の責任を果たし続ける。妨げることはできない」

下院の民主党議員団は小数党だった2017年にも、ドイツ銀行に対してトランプ大統領の資産情報提供を求めたが、同銀行は当時、個人情報保護法を理由に拒否した。

同年には、2016年米大統領選でトランプ陣営がロシアと結託した疑惑を調べていたロバート・ムラー特別検察官が、ドイツ銀にトランプ氏の口座記録を提示するよう命令したと報じられている。

(英語記事 Trump sues banks amid finance inquiry

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