米国務長官、イラクを予告なしに訪問 4時間滞在し首相と会談

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Image caption ドイツ訪問の予定を変更して急きょイラクを訪れたマイク・ポンペオ米国務長官

マイク・ポンペオ米国務長官は7日、予告なしに短時間、イラクを訪問した。イラクの隣国イランとアメリカの緊張が高まる中での電撃訪問となった。

ポンペオ氏は同日に予定していたドイツ訪問をキャンセルし、急きょイラクの首都バグダッドを訪ね、約4時間滞在した。

米当局はポンペオ氏のイラク訪問の詳細を明らかにしていないが、同国のアデル・アブドゥル・マハディ首相と会談したことがわかっている。

会談後、ポンペオ氏は記者団に、「(イラクの)指導者と話をし、アメリカはイラクが主権のある独立国家だと保証し続けることを伝えたい」と思っていたと述べた。

ポンペオ氏はまた、イラクがエネルギー調達においてイランへの依存度を弱められるよう支援したいと話した。

は空母を派遣

今回の訪問の数日前には、アメリカと同盟国イランが脅威にさられているとして、米軍の空母エイブラハム・リンカーンがペルシャ湾に派遣されたばかり。6日には、米軍が戦略爆撃機B-52を派遣したことが明らかにされている。

ただし、米政府は「脅威」を具体的に説明していない。イランはアメリカの主張をばかげていると一蹴している。

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Image caption ペルシャ湾に派遣された米軍の空母エイブラハム・リンカーン

ジョン・ボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)は5日、空母エイブラハム・リンカーンの派遣について、「困難でエスカレートしている状況を示し警告する数多くのこと」への対応だと説明。さらに、「アメリカや同盟国の国益に対する攻撃には、米軍は容赦なく応じるということをイランにはっきりと伝えるものだ」と述べた。

一方、国防総省のチャールズ・サマーズ報道官代行は声明で、アメリカは「イランとの戦争を望んでいない。しかし、湾岸地域におけるアメリカの人員と同盟国、国益は守る」と宣言。その上で、「空母エイブラハム・リンカーンと爆撃機の派遣は、イランが米軍と米国益に対する攻撃の準備を加速させていることへの慎重な対応だ」と加えた。

こうしたアメリカの動きに対し、イランのジャヴァド・ザリフ外相は「アメリカやその顧客たちが安全ではないと感じているなら、それはこの地域の人々から軽蔑されているからだ。イランを責めても、それは変わらない」とツイートした。

イランの国営テレビ「プレスTV」も、米軍の空母などの派遣は「定期的に計画されたもので、ボルトン氏は大げさに話そうとしているだけだ」と報じた。

トランプ政権で関係悪化が深刻に

アメリカとイランの関係悪化は、1979年のイラン革命にまでさかのぼるが、2017年のトランプ政権発足以降、特に深刻になっている。

トランプ政権は昨年5月、イラン核合意から一方的に離脱同年11月にイラン産原油の輸入を禁止する経済制裁を再発動した。イランから石油を輸入し続ける国は制裁から除外していたが、先月になって、中国、インド、日本、韓国、トルコに認めてきた適応除外の措置を5月に打ち切ると発表した。イランの主な収入源である原油の輸出をゼロにし、財源を奪う狙いがあるとみられる。

さらに、トランプ政権は先月、イランの精鋭部隊である革命防衛隊(IRGC)をテロ組織に指定。イランの反発を招いていた。

トランプ政権は、イランの核開発と弾道ミサイル開発を制限する「新たな取引」をイランと実現させたい考えだ。

一方、イランはアメリカへの報復として、ホルムズ海峡を封鎖する姿勢を示している。同海峡は、世界で消費される原油の約5分の1の輸送に使われる主要航路となっている。

(英語記事 Pompeo visits Iraq amid tensions with Iran

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