米司法長官、ロシア疑惑の「発端」捜査を指示 トランプ氏の意向と合致

US Attorney General William Barr at the Department of Justice in Washington, May 9, 2019 Image copyright Reuters
Image caption ウィリアム・バー司法長官は「スパイ活動があった」と述べている

アメリカのウィリアム・バー司法長官が、2016年大統領選におけるロシア介入疑惑が浮上したのは、違法な情報収集がきっかけではなかったか捜査するよう指示した。アメリカの複数のメディアが13日、伝えた。

こうした捜査は、ドナルド・トランプ大統領が長い間求めていた。

トランプ氏や同氏の支持者たちは、米連邦捜査局(FBI)や司法省が、2016年大統領選でトランプ陣営の選挙活動を違法に監視していたと主張している。

米メディア報道によると、バー氏はコネチカット州のジョン・ダーラム連邦検事を捜査チームの責任者に指名。2016年大統領選で、トランプ陣営に関する情報収集が適法だったか、調べるよう指示したという。

バー氏は先月の議会で、2016年大統領選において、トランプ陣営に対する「スパイ活動があった」との見方を明らかにした。その上で、「問題は十分な根拠があるかだ。私は十分な根拠がなかったとは言っていない。ただ、調べる必要がある」と述べていた。

トランプ氏の利益重視との批判も

トランプ氏側は、バー氏の決定を歓迎。元ニューヨーク市長で現在、トランプ氏の顧問弁護士を務めるルーディ・ジュリアーニ氏は「分別ある選択をした。バー氏は素晴らしい人を選んだ」と述べた。

トランプ氏の別の顧問弁護士ジェイ・セクロウ氏は「ロシア疑惑の発端はしっかりと捜査する必要がある」と話した。

一方、トランプ政権に批判的な立場の人々からは、バー氏はアメリカの司法よりもトランプ氏の利益を重視しているとの批判が出ている。

米ニューヨークタイムズ紙によると、ジェイムズ・ベーカー元FBI長官が機密情報をメディアに漏らした疑いについても、ダーラム氏は調べるという。ベーカー氏は違法行為をしていないと述べている。

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ロシア介入疑惑をめぐっては、ロバート・ムラー特別検察官が全448ページの報告書をまとめている。

報告書は、大統領選でロシアとトランプ氏側との間に、犯罪に該当する共謀があったとは結論づけていないが、トランプ氏が検察の捜査を妨害した疑いのある10の事例を挙げている。

また、ロシアがソーシャルメディアのキャンペーンや民主党のコンピューターへのハッキングなどを通して、2016年大統領選に「全般的かつシステマチックに」干渉したと言い切っている。

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60秒でわかるムラー報告書 時間のないあなたが知っておくべきこと

米連邦議会の下院司法委員会は8日、バー氏を議会侮辱罪で訴追すべきとの決議案を賛成多数で可決した。下院決議に背いて、ロバート・ムラー特別検察官の報告書をそのまま公開しなかったことが、議会に対する侮辱に当たるとしている。

ナンシー・ペロシ下院議長は、バー氏が連邦議会に偽証したと非難しているが、司法省の報道官は「根拠のない攻撃だ」と反論している。

(英語記事 US prosecutor 'to review Russia inquiry'

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