アメリカは「イランとの戦争を望まない」 ポンペオ国務長官

US Secretary of State Mike Pompeo and Russian Foreign Minister Sergei Lavrov shake hands Image copyright EPA
Image caption ロシア・ソチで会談したアメリカのポンペオ国務長官(左)とロシアのラヴロフ外相

アメリカとイランの緊張が高まる中、マイク・ポンペオ米国務長官は14日、イランとの戦争を望んでいるわけではないと表明した。

ロシア南部ソチを訪れているポンペオ氏は、同国のセルゲイ・ラヴロフ外相と会談。その中で、アメリカは「根本的に」イランとの衝突は望んでいないと説明した。

同時に、「イランには、もしアメリカの国益が脅かされれば、適切に対応するとはっきりと伝えてある」とも話した。

ポンペオ氏はまた、イランが「普通の国」のように振る舞うよう望むと述べた。

イランも「戦争求めない」

一方、イランの最高指導者アヤトラ・アリ・ハメネイ師も、アメリカとの戦争は起こらないとの見解を示した。

ハメネイ師は国営メディアやツイッターで、アメリカのトランプ政権が昨年、核合意を一方的に離脱したことを批判。アメリカと新たな交渉をする考えはないとの立場を改めて表明した。

その上でハメネイ師は、「我々は戦争を求めないし、向こうもそうだ」と話した。

イランのハッサン・ロウハニ大統領はイスラム教指導者たちとの会合で、「(イランは)偉大なので誰からも脅しは受けない」、「我々はこの難しい時期を栄光とともに乗り越え、誇りを保ち、敵を打ち負かすだろう」と述べた。

両国の関係は緊迫

アメリカは先週、ペルシャ湾に空母エイブラハム・リンカーンを派遣。12日には同湾のアラブ首長国連邦(UAE)沖で、サウジアラビアやノルウェー船籍のタンカーなど4隻が「妨害攻撃」を受ける事案が発生した。アメリカはイランまたは同国が支援するグループが関与したとみているとされ、両国の関係は一段と緊迫している。

トランプ米大統領は14日、イランがアメリカを攻撃したり核開発を加速したりした場合、米軍は最大12万人を中東に派遣する計画だと報じた米紙ニューヨークタイムズの記事を否定。

「そういう計画はない。そうした計画をしないで済むことを望んでいる。そのような事態になれば、もっと多くの人員を派遣する」と話した。

緊張の高まりを受け、スペインは14日、ペルシャ湾の米軍艦隊との軍事演習に参加していたフリゲート艦を引き上げた。スペインのメディアは、アメリカとイランの衝突に巻き込まれるのを回避する動きと報じている。

Image copyright Reuters
Image caption スペインは、ペルシャ湾で米軍の演習に参加していたフリゲート艦を引き上げた

スペイン国防省の報道官はAFPの取材に、「いかなる対立も戦争に似た行動も(スペインは)想定していない。そのため、演習参加は一時中断した」と述べた。

〈分析〉緊張高めるための故意の行為か――フランク・ガードナー、安全保障担当編集委員

2000年の米USSコール、2002年の仏タンカー・ランブール、そして最近イエメン沖での事件など、近年中東で発生した船舶への攻撃に比べると、12日にUAE沖でタンカー4隻が受けた被害はわずかだ。

油の流出はなく、火災も起きず、犠牲者も出ていない。だが、タイミングは怪しく、危険だ。

攻撃を仕掛けたのが誰だろうと、米軍が湾岸地域に追加派遣をし、緊張が高まっていることを知らないはずはない。正体不明の犯人はわざと緊張を高めようとしたか、場合によっては衝突を引き起こそうとしたように思える。

サウジアラビアとUAEはイランへの非難は控えているが、アメリカはイランが攻撃を仕掛けたと疑っているとされる。一方、イランは今回の攻撃について「恐ろしい」と述べ、同国議会の報道官はイスラエルに疑惑の矛先を向けている。

(英語記事 US does not seek war with Iran - Pompeo

関連トピックス

この話題についてさらに読む