フィリピン、駐カナダ大使を召還 カナダが不法ごみ引き取りに応じず

A scavenger wades through garbage in Manila, 2016 Image copyright Getty Images
Image caption ごみの不法投棄はフィリピンで大きな問題となっている

フィリピン政府は16日、カナダからリサイクル可能だと偽られて持ち込まれた廃棄物の処理をめぐり、同国の駐カナダ大使を召還したと明らかにした。カナダ政府が期限内に廃棄物の引き取りに応じなかったからとしている。

複数報道によると、フィリピンに2013~2014年に持ち込まれたのは、何十個ものコンテナに積まれた汚れたおむつなどの一般的な家庭ごみだという。

フィリピンのテディ・ロクシン外相は、フィリピンに不法に輸出されたごみを15日までに引き取るようカナダ政府に求めていたものの、応じなかったと明かした。また、ごみ問題を協議するためのフィリピンの税関職員との会談に、カナダ側が姿を現わさなかったとも述べた。

ロクシン外相はツイッターで、「きのう(15日)の深夜に、駐カナダ大使と領事に対する召喚状が発送された」と投稿した。

「カナダは期限を破った。ごみがカナダに送り返されるまで、我々はカナダでの外交的プレゼンスを低下させたままにするだろう」

外相はまた、「駐カナダ大使と領事へ。指令だ、次の出発便に搭乗せよ」とツイートした。

同国のロドリゴ・ドゥテルテ大統領は先月、フィリピンを「ごみ捨て場」にしたとしてカナダを猛烈に批判。「カナダのごみをカナダまで輸送して投げ捨てる」だろうと述べた。

一方、フィリピン・マニラにあるカナダ大使館はBBCに対し、「カナダからのごみを本国に送り返すよう申し出た」と明かし、「できるだけ早期に移送ができるよう」フィリピンと緊密に連携していると述べた。

ごみ問題の経緯

最初にフィリピン政府がカナダからのごみ問題を提起したのは2014年だ。2013年から2014年の間に、ごみが積み込まれた複数のコンテナが、カナダからフィリピンに輸送されていたことが判明した。

フィリピン政府によると、マニラ国際コンテナターミナルに到着した複数のコンテナには、リサイクル用プラスチックとのラベルが貼られていた。しかし実際には何トンもの家庭ごみが詰まっていた。

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Image caption カナダにごみの引き取りを求める声が上がっている

2015年に残りのコンテナを調査したところ、無害の都市廃棄物が見つかった。

ごみの一部はコンテナターミナルの倉庫で保管されているが、他はフィリピン国内の埋め立てごみ処理場に廃棄された。

フィリピンの裁判所は2016年、輸入者側が費用を負担する格好で、廃棄物をカナダに返送するよう命じた。

同年、ごみ問題が繰り返されないよう、カナダは有害廃棄物に関する規制を変更した。

世界のごみ問題

世界中のごみをめぐっては、最終的にどこで処理をするのかなどに懸念が高まっているが、この問題が表面化したのは2017年に中国が「外国ごみ」の輸入を禁止してからだ。

海外から中国へ入ってきたプラスチックくずの量は、2017年だけで700トンに上った。大量のごみを処理してリサイクルできるだろうという考えは外れ、実際には一部のごみは埋め立てられた。

多くの環境活動家は、中国による「外国ごみ」の取り締まりは勝利だと捉えた。中国が受け入れるプラスチックごみの量は2016~2017年と2017~2018年の間で94%削減した。

しかし、ごみの大部分は現在、マレーシアやフィリピンなどの東南アジアの国に輸出されている。

(英語記事 Philippines recalls Canada envoy over waste

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