メイ英首相、後継の党首選の日程決定へ 与野党協議は決裂か

Theresa May arriving at Parliament Image copyright Getty Images

イギリスのテリーザ・メイ首相は16日、与党・保守党の議員グループと会談し、新たな保守党党首選の日程を決めることを承諾した。新たな党首は自動的に首相となる。

党首選は、先に発表した6月第1週に行う欧州連合(EU)離脱協定法案の採決の後になるとみられる。

BBCのローラ・クンスバーグ政治編集長は情報筋の話として、議会がブレグジット(イギリスのEU離脱)協定を否決した場合、メイ首相は辞任せざるを得ない状況だと説明した。

メイ首相の発表を受け、保守党内ではすでに立候補の動きが出ており、ボリス・ジョンソン前外相は出馬の意向を示した。

一方、政府が6週間にわたって最大野党・労働党と進めていた協議は、離脱協定の譲歩案を見いだせないまま修了する見込みだ。

メイ首相と労働党のジェレミー・コービン党首は今後、議会での採決でどのように妥協点を見いだしていくかを協議するとみられる。

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イギリスは3月29日にEUを離脱する予定だったが、議会が離脱協定を3度にわたり否決したため、EUは離脱期限を10月31日まで延長した。

メイ首相をめぐっては、昨年12月に保守党内で不信任案が提出されたものの、否決された。党規則では、メイ首相は今年12月まで党内で辞任を求められることはない。

しかし、離脱協定の度重なる否決、与野党協議のこう着、5月初めに行われた地方選での大敗などを受け、党内では今夏にも首相職を辞任するよう求める声が強まっている。

こうした中、保守党党首の不信任動議を扱う「1922年委員会」のグレアム・ブレイディー委員長は16日にメイ首相と会談し、首相の今後について「率直な」話をしたと述べた。

ブレイディー委員長は、6月第1週に行われる離脱協定法案の審議・採決の後に再びメイ首相と会談する予定だとした上で、「状況はより分かりやすくなった」と話した。

イギリスは昨年制定した現行のEU離脱法で、ブレグジット協定を国内法に置き換える必要があると定められている。

協定そのものの可否を決めるには「意味ある投票」が必要だが、メイ首相はそれとは別に、離脱協定を国内法に置き換えるための採決を行う方針だ。

EU離脱前の主な日程

  • 5月23日: イギリスで欧州議会選挙が実施される
  • 6月4日: EU離脱協定法案の採決が行われる
  • 7月1日: この日までにブレグジットが実現すれば、イギリスは欧州議会に出席する必要がなくなる
  • 7月2日: 欧州議会が開会
  • 7月26日~9月10日: イギリス議会の夏季休暇
  • 9月29日~10月2日: 保守党の党大会
  • 10月31日: 現在のEU離脱期限

メイ首相辞任の公算が高くなる中、ジョンソン前外相はマンチェスターで行われたビジネス会議で「もちろん出馬する」と、首相選への意欲を示した。

保守党のグラント・シャップス議員は、メイ首相が辞任の日程を決めることで、ブレグジットのプロセスにも大きな進展があるだろうと指摘した。

その上で、離脱協定は今のままでは議会で4度目の否決を迎えることになるが、採決にかけることでメイ首相にとっては「できることを全て試した」と示す機会になるだろうと述べた。

「それがこの大河小説を終わらせるにふさわしい」

一方、2度目の国民投票案を支持しているフィリップ・リー議員は、首相をすげ替えても「危機の解決にはならない」し、議会で離脱協定を可決するだけの支持が形成されるわけでもないと話した。

「首相を辞任させ、立候補者がさらに空想じみたブレグジット案をちらつかせるような党首選に夏季休暇を費やすのは(中略)、保守党にとってもイギリスにとっても有益ではない」

与野党協議は決裂へ

離脱協定の譲歩案を模索するために始まった与野党協議だが、進展の兆しはみられていなかった。

BBCの報道番組「ニュースナイト」のニコラス・ワット政治エディターは、保守党幹部が労働党と合意することを諦めたと説明した。

一方、労働党側も「立場の弱い首相と合意しても、それがどれだけ維持されるか懸念していた」という。

14日に行われた影の内閣閣議で、労働党の幹部議員は協議の即時中止を訴えると共に、もし合意に至ったとしても労働党内で支持を得られるか疑問だと指摘した。

労働党はかねて、ブレグジット後もEUとは恒久的な関税同盟を結び、税関や関税を避けたい考えを示している。

しかしEU離脱派は、関税同盟を結べばイギリスはEUの規則に従う必要があり、他国との通商協定も結べなくなると反対している。

(英語記事 May agrees to set timetable to choose new PM

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