ホワイトハウス、大統領の元法律顧問に議会証言しないよう指示

White House Counsel Don McGahn Image copyright AFP
Image caption ドナルド・マギャン元法律顧問は昨年10月、ホワイトハウスを去った

米ホワイトハウスは21日、2016年米大統領選でのロシア介入疑惑と、その捜査にドナルド・トランプ米大統領が介入したかどうかの問題について、元ホワイトハウス法律顧問に議会証言をしないよう指示した。下院司法委員会に召喚されたドナルド・マギャン元法律顧問は、ロシア疑惑捜査を指揮するロバート・ムラー特別検察官の解任を大統領に指示されたと、ムラー氏に明らかにしている。

野党・民主党が多数を占める下院の司法委員会は、マギャン元法律顧問を22日の公聴会に喚問している。

下院司法委の関係者は、もしマギャン氏が委員会で証言しないなら、トランプ大統領に対する弾劾手続きの開始もあり得ると話した。

これに対して司法省とホワイトハウスは21日、共に声明を出し、マギャン元法律顧問に議会証言の義務はないと主張した。

この後、マギャン氏の顧問弁護士は、元法律顧問が「大統領の指示を尊重する」とコメントした。

ムラー特別検察官によるロシア疑惑捜査において、トランプ大統領が繰り返し捜査を妨げようとしたとマギャン元顧問が証言していたことが、ムラー氏による捜査報告書の公表で明らかになった。

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1年10カ月にわたる捜査の結果をまとめたムラー報告書は、ロシアとトランプ陣営の共謀を裏づける証拠はなかったとしつつ、トランプ氏による司法妨害については、犯罪行為はなかったと確定的に結論できなかったと書き、司法妨害罪に相当するかどうかを検討した大統領の行為10件を詳述した。

報告書でムラー検察官は、ロシア当局とトランプ陣営の間に複数のつながりがあることを確認したものの、犯罪に相当する共謀行為は特定しなかったと書いた。一方で、司法当局の捜査をトランプ氏が妨害しようとしたかについては、「無罪を認定するわけではない」としつつ、確定的な法的判断を避けた。その上でムラー特別検察官は、「大統領が憲法第2条に則り自らの権限を行使した結果、司法を妨害したと言えるかどうかについて、我々は、司法遂行の厳正性を守るために大統領の権限乱用を防ぐ権限は、連邦議会にあると結論した」と書いている。

それぞれの言い分

ホワイトハウスのサラ・サンダース報道官は、民主党はムラー報告書の結論が気に食わないので「無駄で不必要なやり直し」を求めているだけだと批判した。サンダース氏は文書のコメントで、司法省指針に基づき、「大統領の元法律顧問がこのような証言を強制されるいわれはなく、マギャン氏はそのように行動するよう指示を受けた」と述べた。

司法省も文書で、マギャン氏に証言義務はないとコメントした。スティーヴン・エンゲル副司法長官は、「連邦議会は憲法上、大統領の上級顧問に対して公務についての証言を強制することはできない」と述べた。

これに対して、下院司法委のジェロルド・ナドラー委員長(民主党)はCNNに対して、もしマギャン氏が証言しなければ、議会侮辱罪に当たると議決することになると述べた。

ナドラー氏はこのほか文書で、「ホワイトハウスは当委員会との協力を全面的に拒んで」おり、マギャン氏への今回の指示も「ホワイトハウスによる最新の妨害行為に過ぎない」と書いた。

「大統領は繰り返し繰り返し、もしかすると犯罪的に、連邦捜査当局から自分を守ろうとした。その中でも特に悪質な行動をドン・マギャンは目撃している」と、ナドラー委員長は批判した。

下院司法委員会は、トランプ氏による司法妨害と権力乱用の疑いについて広範な調査を進めており、これまでに81個人・団体に資料提出を命令している。

与党・共和党が多数を占める上院の司法委員会では今月初め、ウィリアム・バー司法長官がムラー報告書の内容について聞かれ、トランプ大統領はムラー検察官と捜査の間には利益相反があると感じたため解任ではなく別の人物との「交代」を求めただけだと発言していた。

マギャン氏は昨年10月に退任し、ワシントンにある古巣の法律事務所ジョーンズ・デイに戻った。この事務所は、トランプ氏の選挙運動団体の代理を務めている。

(英語記事 Don McGahn: White House directs former lawyer not to testify

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