「テクノロジーでは日本人に」 ウクライナ大統領、就任演説で議会解散

Volodymyr Zelensky at inauguration, 20 May 19 Image copyright EPA
Image caption 議会で大統領の宣誓式に臨んだヴォロディミル・ゼレンスキー氏

4月のウクライナ大統領選で圧勝した人気コメディ俳優のヴォロディミル・ゼレンスキー氏が20日、大統領に就任した。ゼレンスキー氏はすぐさま議会を解散し、議会選挙を開くと宣言した。「我々はテクノロジーでは日本人にならなくてはならない」とも述べた。

議会選挙は今年10月に予定されていた。選挙を前倒しすることで、高い人気を背景に議会で多数派を形成したい思惑があるとの見方が出ている。

ゼレンスキー氏はこの日、議会で宣誓式に臨み、大統領を象徴する金の笏(しゃく)などを手渡された。同氏は笏を高々と掲げた後、「議会を解散する」と表明した。

また、東部で続いている、ロシアの支援を受けた反政府勢力との紛争を終わらせることが最優先課題だと強調した。

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Image caption 大統領選では得票率73%で圧勝した

選挙戦で汚職撲滅を掲げたゼレンスキー氏は、「国民のために奉仕する権力者を国民は支持すべきだ」と呼びかけた。

さらに、「我々はサッカーではアイスランド人に、母国防衛ではイスラエル人に、テクノロジーでは日本人にならなくてはならない」と訴えた。

そして、「みんなが違いを越えて幸せに暮らすためには、スイス人になる」必要があるとした。

また、東部を親ロシア派勢力が支配していることについて、「我々がまずすべきは(東部)ドンバスの停戦だ」と述べた。

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、ゼレンスキー氏の大統領就任を祝福はしないと述べた。その一方、「ウクライナ南東部の内紛の解決と、ロシアとウクライナの関係正常化をまず成功させること」を心待ちにしていると話した。

ロシアのセルゲイ・ラヴロフ外相は、2015年にウクライナ政府と同国の親ロシア派勢力の間で交わされたミンスク和平合意の履行と、「全員対全員」の囚人交換をゼレンスキー氏に呼びかけた。

テレビ・ドラマで、たまたま大統領になってしまう教師を演じて国民的な人気者となり、大統領選でペトロ・ポロシェンコ前大統領に得票率73%で圧勝したゼレンスキー氏は、政治家としての経験はなく、具体的な政策を明らかにしていない。

どんな挑戦が待ち構えている?

ゼレンスキー氏は大統領選で、ウクライナの根深い汚職の撲滅を主な公約としていた。それを受け、側近が先月、国会議員の不起訴特権を廃止し、軍による物資購入の透明性を高める方針を発表した。

しかし、新大統領にとって最大の問題は、ウクライナ東部における紛争だろう。

ゼレンスキー氏は大統領選が本格化する前、親ロシア派が支配する東部との「関係を一新」し、「紛争を終わらせるための強力な情報戦」を開始すると表明していた。

ただしすでに、ロシアのプーチン大統領がゼレンスキー氏を試すような動きを見せている。

大統領選後まもなくプーチン氏は、ウクライナからの分離を求める東部の住民たちがロシアのパスポートを取得しやすいよう制度を変更した。この措置は、ゼレンスキー氏に対する挑戦と広く受け止められている。

これに対し、ゼレンスキー氏の側近たちはフェイスブックで、ロシアを「ウクライナに戦争を仕掛ける侵略国家」と批判。国際社会に対し、ロシアに「外交的な圧力と経済制裁のプレッシャー」をかけるよう呼びかけていた。

(英語記事 New Ukraine President Zelensky calls snap election

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